最終更新日 2018/05/15

混合性結合組織病

混合性結合組織病とは・・・

混合性結合組織病(こんごうせいけつごうそしきびょう、mixed connective tissue disease〈MCTD〉)は、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus〈SLE〉)・全身性強皮症(systemic sclerosis〈SSc〉)・多発性筋炎/皮膚筋炎(polymyositis〈PM〉/dermatomyositis〈DM〉)の3つの膠原病の特徴を併せ持つ自己免疫疾患である。また、抗U1-RNP抗体が高値陽性となるのが特徴的である。

 

症状

混合性結合組織病の症状は、特徴的な共通症状と上記3疾患の症状が混在する混合症状に大きく分けられる。

 

(1)共通症状

共通症状としてはレイノー症状と手指の腫脹が有名である。レイノー現象はほぼ全例で認められる症状であり、初発症状となることも多い。手指の腫脹も高頻度で認められる症状であり、長期間持続することが混合性結合組織病に特徴的である。

 

(2)混合症状

混合症状としては、多関節炎・白血球減少・手指に限局した皮膚硬化・筋力低下・筋電図における筋原性異常所見・肺機能障害などの頻度が高い。また、有名な合併症として肺高血圧症が知られており5~10%程度に合併すると言われている。その他の特徴的な症状としては、顔面の異常知覚を症状とする三叉神経障害や、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)使用後に起きる無菌性髄膜炎などが知られている。

 

治療

治療は、本疾患は自己免疫疾患であるため抗炎症療法と抗免疫療法が中心となる。予後は、5年生存率は約95%と高いが、主な死因は肺高血圧や心不全などの心肺系であるため、肺高血圧症のモニタリングと治療も重要である。

執筆: 井上 彰

明石医療センター 救急科医長

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