関節炎とは・・・
関節炎(かんせつえん、arthritis)とは、関節に炎症が起きている病態である。
関節に一致して発赤・腫脹・圧痛・こわばり・可動域制限など局所症状がみられ、疾患によっては全身症状として発熱、全身倦怠感、体重減少などを伴う。
関節炎をきたす疾患を鑑別する場合、急性か慢性か、単関節炎か多関節炎かで、4つに分類して考えるとよい。
急性単関節炎
急性単関節炎で最も多いのは、痛風や偽痛風といった結晶誘発性関節炎である。また、細菌性関節炎も急性単関節炎であり、とりわけ化膿性関節炎は急速な関節破壊を起こすことから内科的エマージェンシーと言われ迅速な対応が必要となる。外傷による急性単関節炎もあり受傷歴などの病歴聴取も重要である。また、急性多関節炎の初期を見ている場合もあるので注意が必要である。
急性多関節炎
急性多関節炎では、ウイルス性関節炎(ヒトパルボウイルスB19・HBV・HCV・風疹・HIVなどが有名)、細菌性関節炎(感染性心内膜炎・淋菌性関節炎)が挙げられる。細菌感染では、淋菌性関節炎が若年者に多く、移動する関節炎が特徴的である。高齢者では非淋菌性関節炎が多い。また、慢性多関節炎の早期をみている場合もあるので注意が必要である。
慢性単関節炎
慢性単関節炎は、非炎症性と炎症性に大別される。非炎症性では変形性関節症、無痛性骨頭壊死、神経原性関節症、外傷が挙げられる。炎症性では股関節に多い結核性関節症や、傍腫瘍性症候群が有名である。
慢性多関節炎
慢性多関節炎では、関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病が挙げられる。また、結晶誘発性関節炎が慢性化し多関節炎に及ぶこともある。