風疹とは・・・
風疹(ふうしん、rubella)とは、風疹ウイルスによる感染症である。飛沫感染し、経気道的に感染後、上気道粘膜、所属リンパ節で増殖し、ウイルス血症を起こす。潜伏期間は約2週間である。
2008年からは5類感染症全数把握疾患となり、全ての医師に最寄りの保健所への届け出が義務付けられている。また、学校感染症第二種疾患で、発疹が消失するまで出席停止である。
【症状】
発熱、発疹、リンパ節腫脹などの症状が、ほぼ同時に出現する。発疹は淡紅色で、小さい丘疹で、全身に出現し、数日で色素沈着を残さず消失する。
特徴としては、眼の結膜充血を認め、リンパ節腫脹は、特に耳介後部、後頭部、頸部に多い。Forchheimer spots(フォルヒハイマー斑)という口蓋の点状丘疹、紅斑・紫斑を多くの例で認める。
【検査・診断】
不顕性感染が15~30%程度存在し、臨床症状からの診断は困難であることや、似た症状を示す発熱発疹性疾患や薬疹もあるため、確定診断には検査室診断が行われることもある。例えば、咽頭ぬぐい液、血液、尿から風疹ウイルス遺伝子をPCR法での検出や、血清診断でIgM抗体の検出が行われる。
【治療】
発熱、関節痛などに対して解熱鎮痛薬が用いられるが、特異的な治療法はなく、症状を和らげる対症療法のみである。
【予防】
弱毒生ワクチンがあり、2006年度からMR(麻疹・風疹)混合ワクチンが定期接種に導入されている。1歳と小学校入学前1年間の幼児の2回接種である。
妊娠20週までの風疹に対する抗体を持たない妊婦が感染すると、胎児に先天性風疹症候群(CRS)の発症の危険性が高まる。妊娠を希望する場合は、抗体の有無を確認し、予防接種を受けて、かからないようにすることが望ましい。また、予防接種後2カ月は避妊が必要である。