胃石とは・・・
胃石(いせき、Bezoar)とは、胃の内部で、部分的に消化された物質やまったく消化されなかった物質が集まって固まったものである。
多くは無症状で、治療をしなくても通り抜けていくが、中には手術で取り除かなければならない場合もある。胃石には、柿を大量に食べて生じる柿胃石、野菜や果実の繊維、海藻類などによる線維胃石、毛髪を飲み込む癖のある人にみられる毛髪胃石などがある。
検査と診断
腹部X線検査、腹部CT検査、腹部超音波検査、内視鏡検査などで診断する。また、問診では、摂取した食事について確認する。
治療
・胃石を溶解して縮小させるため、胃洗浄、または炭酸水素ナトリウム剤や分解酵素剤などを使用する。
・内視鏡を用いて胃石を回収したり、または鉗子(かんし)で胃石を破砕し排出させたりする。
・胃石の排出や回収が不可能な場合や、大きくて腸閉塞をおこした場合には、外科手術を行う。
特に注意すべき胃石
柿胃石
・吐き気や嘔吐、上腹部痛などの急性症状がみられる。
・上腹部にしこりができる。
・便や吐いた物に石が混ざっている時がある。
・胃石によって胃粘膜が傷つき、潰瘍になることがある。
毛髪胃石
・精神的な問題が引き金となって自分の髪の毛を引き抜いてしまう「抜毛癖」のある人に多く、患者の心の問題を解決するよう促すことが大事である。
・小児患者は毛髪胃石が多く、その大半は女児である。原因はストレスと考えられており、児童精神科医などによるサポートが必要といわれている。
引用参考文献
1)胃石.MSDマニュアル プロフェッショナル版.
2)胃石.徳島県医師会.