日本脳炎とは・・・
日本脳炎(にほんのうえん、Japanese encephalitis)とは、日本脳炎ウイルスによって重篤な急性脳炎を起こす感染症である。
原因
ブタで増殖した日本脳炎ウイルスを吸ったカ(コガタアカイエカ)を媒介してヒトに感染する疾病である。ヒトからヒトへ感染することはない。東アジア、南アジアなどに広く分布する。日本脳炎ウイルスに感染した場合、約100~1,000人に1人が日本脳炎を発症し、死亡率は20~40%である。
症状
感染症の症状としては、6~16日の潜伏期間の後に、数日間の高熱、頭痛、嘔吐、光過敏症をはじめ、重症例では意識障害、痙攣など中枢神経障害を起こす。生存者の45~70%に、歩行障害、手足の震え、てんかん、麻痺、高次脳機能障害などの神経系の後遺症が生じる。
治療法・予防法
発症しても有力な治療法はなく、発熱や痙攣などに対する対症療法が中心となる。日本脳炎は、ワクチン接種により、罹患リスクを75~95%減らすことができるといわれ、日本では小児の定期摂取の一つである。ワクチンは不活化ワクチンで、ワクチンスケジュールは2期制であり、完了するまでに4回摂取する。
第1期:3歳以降の1~4週間隔で2回、2回目の1年後に3回目を摂取
第2期:9~12歳に1回追加摂取