ドライマウスとは・・・
ドライマウス(どらいまうす)とは、口腔内が乾燥している状態である。糖尿病などの疾患が原因のこともあれば、薬剤性、加齢、飲酒や喫煙などの生活習慣が原因となることもある。
また、ドライマウスはシェーグレン症候群の症状として有名である。シェーグレン症候群は唾液腺や涙腺などにリンパ球が浸潤することで腺組織が破壊され、分泌液の量が減ってしまう疾患である。
症状・治療
口腔内が乾燥すると、口腔内びらんやそれに伴う痛み、乾燥したものを飲み込みにくい、口臭が強い、う歯が多くなるなどの症状が出現する。治療の基本は原因に対する介入である。対症療法としては水分摂取や含嗽、人工唾液の使用などがある。
検査
ガム試験
ガムを10分間噛ませて分泌された唾液量を測定し、10ml以下で陽性とする。
サクソン試験
ガーゼを噛み2分間でガーゼに吸収された唾液量を測定する。2g以下で陽性である。
唾液腺造影(シアログラフィー)
唾液腺に造影剤を注入し、末梢導管の拡張像である点状陰影の大きさをもとにグレーディングする。
唾液腺シンチグラフィー
アイソトープを用いた唾液腺の核医学検査である。耳下腺・顎下腺へのアイソトープの集積をみるが、障害が高度な症例では集積はほとんどみられない。
小唾液腺・涙腺生検
口唇にある小唾液腺は耳下腺・顎下腺などの大唾液腺の病態を反映しているため、口唇や涙腺の生検を行う。小唾液腺組織または涙腺組織で4mm2あたり導管周囲に50個以上のリンパ球浸潤を認めればフォーカススコア―1とし、それ以上を認めれば陽性とする。