褥瘡が骨の出ているところにできやすいのはなぜ?|体位変換

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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。

 

今回は体位変換に関するQ&Aです。

 

大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授

 

褥瘡が骨の出ているところにできやすいのはなぜ?

骨の出ている部位は筋肉や脂肪などの軟部組織が少なく、さらに血流も比較的乏しいため、骨の突起部に局限性の圧迫を受けやすいからです。

 

局所に持続的な圧迫を受けると、接触している骨の突起部に体重の圧がかかり、皮膚を圧迫します。この圧力は、皮膚の接触面を頂点にして骨に近い筋肉や皮下組織に円錐(えんすい)状に広く働きます。
こうした持続的な圧迫は、皮膚表面よりも骨に近い筋肉や皮下組織に強く働き、虚血に弱い筋肉が容易に壊死を起こし、その後、褥瘡は骨膜、骨に至ることもあります。褥瘡が骨に至ると、腐骨や骨髄炎を併発することもあり、影響は全身に及びます。

 

褥瘡のできやすい部位は、仰臥位では仙骨部、踵骨(しょうこつ)部、肩甲骨部、後頭部など、側臥位では大転子部、足の外踝部などです。特に、仙骨部は体重の44%が集中するといわれています。

 

 

 

 

 

褥瘡ができやすい部位

褥瘡ができやすいのは、局所的に圧迫される部位です。特に、脂肪などの軟部組織が少なく血流量も比較的乏しい骨突出部に発生しやすくなります。

 

 

図のA~Cは、Gosnell, D. J.:Assessment and Evaluation of Pressure Sore, Nursing Clinics of North America. 22(2), 1987
図Dは、Maklebust J.:Pressure Ulcers ; Etiology and Prevention, Nursing Clinics of North America. 22(2), 1987

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版

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