同じ体位を続けると褥瘡ができやすいのはなぜ?|体位変換
【看護roo! 褥瘡セミナーのご案内】看護師のリアルなお悩みにQ&Aで答えるよ
『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は体位変換に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
同じ体位を続けると褥瘡ができやすいのはなぜ?
同一の部位を圧迫し続けることで、その部分の皮膚に血行障害が起き、褥瘡ができやすくなります。
褥瘡の直接的な原因は、局所の持続的な圧迫です。局所の圧迫が一定のレベル以上に達すると、皮膚の血流が途絶え、虚血性の壊死が生じて組織の損傷が起こり、褥瘡が生じます。
通常、200mmHg以上の持続的な圧迫が2時間以上続くと壊死が生じるとされています。これ以上強い圧迫であればより短時間で損傷が生じ、また弱い圧迫でも長時間持続されると損傷が生じます。
血液の循環障害に陥った皮膚に最初に現れる徴候は、発赤(はっせき)です。やがて水泡が形成され、表皮の剥脱(はくだつ)が起きます。さらに圧迫が続くと、酸素や栄養成分の供給が妨げられます。そして、皮膚、皮下組織の損傷や壊死を起こし、次いで、骨、筋肉の損傷を伴った層が形成されます。
memoブレーデンスケール
褥瘡の発生危険度が高い患者の状況を、危険項目ごとに点数化して把握するために、ブレーデンスケールがあります。
知覚の認知、湿潤、活動性、可動性、栄養状態、摩擦とずれの6項目を、それぞれ1~4(1項目のみ1~4)段階で評価します。病院では14点以下、施設では17点以下になると褥瘡の発生危険度が高くなります(合計点数は23点)。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版