男性ホルモンと女性ホルモンはどう違うの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は「男性ホルモンと女性ホルモン」に関するQ&Aです。
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山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
男性ホルモンと女性ホルモンはどう違うの?
男性ホルモンと女性ホルモンを合わせて性ホルモンといいます。
どちらも性差を生みますが、男性にも女性ホルモンが少量分泌され、女性にも男性ホルモンが少量分泌されています(分泌量は性別によって異なります)。
ここでは、代表的な性ホルモンの特徴を記しておきます。
女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があり、どちらも卵巣から分泌されます。エストロゲンは、乳腺の発達や皮下脂肪の沈着など、女性の第二次性徴を促すホルモンです。プロゲステロンは、受精卵の着床や妊娠の維持に関与するホルモンです。
女性ホルモンが男性ホルモンと大きく異なるのは、分泌量が周期的に変化することです。
男性ホルモンは、精巣から分泌されるテストステロンがあります。ひげや変声など男性の第二次性徴を促し、精子の形成に関与します。
MEMO第二次性徴
第二次性徴は下垂体前葉から産生される卵胞刺激ホルモンFSHと黄体形成ホルモンLHの2種類の性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)が卵巣や精巣に作用し、性ホルモンが産生されることで始まります。男児では11歳ごろに精巣が大きくなって陰茎の増大など生殖器が成熟し、ひげや陰毛の発生、声変わりと進みます。女児は10歳ごろに乳房が発育し始め、陰毛の発生、初潮と経過します。男女とも急激に身長が伸びます。
※編集部注※
当記事は、2017年10月20日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版