点滴の留置針交換でモヤモヤ|看護師かげと白石の今週のモヤッと(8)

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この連載では、総合病院で働く看護師のかげと中堅看護師の白石が、読者から寄せられた「看護の現場で感じるモヤモヤ」にお答えします。

 

みんなの「モヤッと」が「ピカッと」に変わりますように!

 

連載:看護師かげと白石の今週のモヤッと

Vol.8 点滴の留置針交換でモヤモヤ

なんで刺し直さなかったの?と先輩ナースにきつく言われ、モヤモヤする看護師のイラスト

 

看護師かげさんのアイコン

点滴の留置針交換についてのお悩みです。

 

 

私の勤務している病院では、4日に1度、留置針の交換をしています。

留置針の交換を行う「点滴係」は、フリーの看護師もしくは受け持ち看護師が行います(受け持ち患者は毎回変わります)。

 

先日、日中に1本だけ点滴投与の指示がある患者さん(Aさん)を受け持っていました。

 

Aさんの留置針の交換期限が過ぎていたので、点滴終了後に抜針。

 

留置針はすぐに使うものでもないし、知的障害のある患者さんだったので抜去のリスクも考慮し、翌日の点滴投与時に再挿入することにしました。

 

すぐに点滴を使わない場合、翌日の担当者に繰り越すやり方の看護師もいたからです。

 

翌日は新人看護師と私が一緒に「点滴係」となりました。

しかし、指導をしながらだったので、準備や確認に時間がかかってしまい、予定がどんどんずれていってしまって。

 

そこで、Aさんの留置針を挿入する時間がないと判断し、Aさんを受け持っている先輩看護師に代わりに留置針を挿入してほしい旨を伝えました。

 

すると、「昨日受け持っていたのにその後刺し直さなかったの?」と強い口調で言われました。

 

私は「患者さんが留置針を抜く危険性もあったので…」と返しましたが、「この人抜く人なの?なんで入れなかったのか意味がわからない」と怒りをあらわにされました。

 

お願いする立場ではありますけど、正直、これにはモヤモヤしました。

 

患者さんにとっては、留置針が1日ないだけで気分が違うと思います。

私は患者さんのためにも無理に挿入せず、翌日挿入する方がいいと思ったのですが…。

 

先輩の言ったことにモヤモヤしているのでお返事をいただきたいです。

(るらさん 看護師3年目)

 

 

看護師白石さんのアイコン

先輩と相談者さん、それぞれ別の「正しさ」があるから、ぶつかってしまってるように見える…。

 

看護師かげさんのアイコン

先輩は、4日に1度の交換というルールを守って「すぐに刺し直す」が正しいと思っていて、

相談者さんは「臨機応変に対応する」が正しいと思っていて、

行き違いになっているのかな。

 

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そうだね。

「4日に1度」というルールに曖昧なところがあるんだよね。

 

実際、翌日に繰り越すやり方の看護師は、他にもいるわけだし…。

その曖昧さが、トラブルにつながっているのかも。

 

 

先輩や上司に相談することから始めてみる

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たとえば、「日中だけ点滴をする人」「自己抜去のリスクがある人」などの場合について、あらかじめ話し合って、対応を統一しておいたほうがいいのかもしれないよね。

 

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相談者さんは3年目か…。

 

病棟全体に「話し合いをしよう!」って持ちかけるのは難しいかもしれないけど、まずは先輩や上司に相談してみたらいいんじゃないかな。

 

看護師かげさんのアイコン

そうだね。

僕は「みんなで話し合おう!」とかは率先して言えないタイプだけど…。

 

今回のことを「こういう行き違いがあった」と先輩や上司に伝えて、改善の方法を相談することはできそう。

 

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3年目で後輩指導やリーダー業務をするようになってくると、病棟運営に絡む機会も増えるだろうし…。

 

曖昧なことを曖昧なままにしないで、業務改善につなげていく視点や行動力は大事だよね。

 

 

大切なのはコミュニケーション

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でもなぁ…、まずはとにかく申し送りかな、と思うけどね。

 

看護師かげさんのアイコン

そうだね。

今回の話でも「この患者さんは知的障害があり、点滴自己抜去のリスクがあったので、点滴は抜いたままでいます。私が点滴係なので挿入する予定ですが、もしかしたら受け持ちの方にお願いするかもしれません」と申し送りをしておいてもよかったと思う。

 

看護師白石さんのアイコン

その都度の申し送りで解決するもよし、

病棟全体で話し合うもよし。

 

どこで折り合いをつけていくか、先輩や上司に相談してみたらいいよね。

 

看護師かげさんのアイコン

うん。

最終的に大事なのは、やっぱりコミュニケーション!

 

看護師白石さんのアイコン

私は、モヤモヤすることがあっても、そのままふて寝して、ケロッと忘れちゃうことも多いんだよね(笑)。

だから、モヤモヤにちゃんと向き合ってる相談者さんを見習わなきゃって。

 

看護師かげさんのアイコン

そうだね、モヤモヤを言語化できてるのはスゴイこと。

あとは、それを業務改善につなげていってください!

 

今週のピカッと


☆ 先輩や上司に相談することから始めてみる

 

☆ 大切なのはコミュニケーション

 

 

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プロフィール
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看護師のかげ(@877_727)

医療の勉強に役立つ(てほしい)絵や仕事でのほっこり話などをTwitterでつぶやいています。

10年以上病院で働いてきて、現在はいろんな場所で働いている看護師兼ライター。

最近は、後輩に飴ちゃんあげるおかん系看護師になりつつある。

 

イラスト/かげ
編集/坂本綾子(看護roo!編集部)

 

●書籍紹介

『ホントは看護が苦手だったかげさんの イラスト看護帖〜かげ看〜』

かげ 著、永岡書店

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