バイタルサイン(②脈拍の測定)
『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』(インターメディカ)より転載。一部改変。
今回は小児のバイタルサイン測定(脈拍)について解説します。
風間 敏子
元 難病子ども支援全国ネットワーク電話相談室
バイタルサインの測定
患児は、症状を自分から的確に訴えることができない。
また、乳幼児は症状の変化が速いため、体温・脈拍・呼吸・血圧などを注意深く観察し、早期診断・治療に生かすことが大切である。
患児の表情・機嫌を観察し、バイタルサイン測定が可能であるかどうかを判断。測定は安静時・睡眠時に行う。患児と家族に、バイタルサイン測定の必要性を説明する。
POINT
・正常範囲を確認しておく。
・運動・食事・入浴・啼泣直後の測定は避ける。
・まず、患児の表情・機嫌を観察する。
バイタルサインの測定に必要な物品は図1のとおり。
❶体温計
❷ストップウォッチ
❸血圧計
❹アルコール綿
❺パルスオキシメーター(必要時)
目次に戻る
脈拍の測定
測定部位を選択する。橈骨動脈(図2)・総頸動脈(図3)・足背動脈(図4)・浅側頭動脈・大腿動脈などが用いられる。
測定者は示指・中指・薬指の指腹を並べて患児の動脈に軽く当てる。
1分間測定し、脈拍数・脈の性状を観察、記録する。
POINT
・強く押さえない。
・母指は用いない。
POINT
・遊びを取り入れて、機嫌よく測定。測定困難なときは、聴診器を使用。
POINT
・測定者は、片方の手で測定部を固定。
観察ポイント
・脈の緊張は?
・不整は?
・左右差は?
EVIDENCE
・啼泣・授乳・食事・入浴・運動や精神状態により脈拍は変動。
・精神的に興奮すると心拍数が増加。
経皮的動脈血酸素飽和度測定:パルスオキシメーターによる測定
・パルスオキシメーターにより、経皮的に動脈血酸素飽和度を測定できる(図5)。
・動脈血酸素飽和度の%表示(SpO2)、脈拍数(♡)が表示される。
・データは、毛細血管を透過する赤色光と赤外光が、脈動周期中に吸光される変化分によって得られる。
・SpO295%以下は、観察が必要である。
目次に戻る
本連載は株式会社インターメディカの提供により掲載しています。
単行本に収録されているWeb動画は掲載していません。視聴されたい場合は、単行本をお買い求めください。
[出典] 『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』 監修 山元恵子/編著 佐々木祥子/2022年7月刊行/ インターメディカ