モニタで不整脈が出たら、まず、何をする? やっぱり12誘導心電図?

『いまさら聞けない!急変対応Q&A』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回はモニタで不整脈が出た時まず行う対応について解説します。

 

田向宏和
浜田医療センター診療部/診療看護師

 

モニタで不整脈が出たら、まず、何をする?やっぱり12誘導心電図?

 

まずは、意識レベルを含めたバイタルサインを確認しましょう。
12誘導心電図をとるのは、意識があり、循環が安定している場合です(くわしくは「いつ12誘導心電図をとる?」)。

 

 

モニタで不整脈が出た場合には、まず、患者の意識レベルとともに、血圧および脈拍などのバイタルサインをチェックします。

 

意識レベルが低下し、血行動態が不安定な場合には、ただちに救命処置を開始します。

 

意識が保たれており、血行動態が安定している場合には、モニタ監視とともに12誘導心電図を施行します。12誘導心電図を施行した場合、以前の心電図との比較も重要です。

 

 

モニタで徐脈/頻脈をみる

不整脈の原因は、大きく徐脈頻脈に分かれます(表1)。12誘導心電図と照合し、原因となる不整脈を検索します。

 

表1 不整脈の分類

不整脈の分類

 

徐脈では、一時ペーシング、薬剤による治療が行われます。

 

頻脈を心電図で鑑別する際は、P波の有無QRS波の幅(狭いか広いか)とリズム(規則的か)をみていきます(図1)。

 

図1 頻脈時の心電図の見かた

頻脈時の心電図の見かた

*1 P’波:通常の洞性P波以外のP波

久賀圭祐:頻脈(幅の狭いQRSで規則的なもの).渡辺重行,山口巖 編,心電図の読み方パーフェクトマニュアル.羊土社,東京,2006:310.より一部改変のうえ転載

 

薬剤投与などの治療を行う場合、12誘導心電図の持続モニタリングを行い、前後で波形を比較します。通常、治療は専門医が行いますが、緊急処置が必要となる場合があるため、救急カート除細動器を準備しておきましょう。

 

モニターを報告しているナースのイラスト

 

 

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引用・参考文献

1)American Heart Association.2010 American Heart Association Guidelines for Cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Care.Circulation 2010;122(18 suppl 3).

2)日本循環器学会,日本小児循環器学会,日本心臓病学会,他:不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版).

3)半田俊之助,伊苅裕二:循環器内科ゴールデンハンドブック 改訂第3版.南江堂,東京,2013.

4)渡辺重行,山口巖 編:心電図の読み方パーフェクトマニュアル.羊土社,東京,2006.

5)久賀圭祐:頻脈(幅の狭いQRSで規則的なもの).渡辺重行,山口巖 編,心電図の読み方パーフェクトマニュアル.羊土社,東京,2006:310.


 

本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

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[出典] 『いまさら聞けない!急変対応Q&A』 編著/道又元裕ほか/2018年9月刊行/ 照林社

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