不整脈の看護

『本当に大切なことが1冊でわかる循環器』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は不整脈の看護について解説します。

 

渡辺朋美
新東京病院看護部

 

〈目次〉

 

 

看護師は何に注意する?

心室頻拍や心室細動などの致死性不整脈に対しては、CPRが大切になります。まずは、意識レベルの確認、脈拍触知の有無、呼吸の有無を確認し、即時CPRを開始します。

 

発見者は患者さんから離れず、医師・スタッフの応援を呼び、救急カート、除細動器の要請を行います。また、いつ、どのように変化したのか経時的に記録を行います。

 

心室頻拍や心室細動の発生は、生命の危機的状態であり、患者さんや家族への精神的な援助も行います。

 

 

不整脈の退院指導のポイント

不整脈の患者さんは、おもに薬物治療が中心となります。患者さんには、定期的な外来受診の必要性の説明と、服薬指導が必要です。薬剤師と情報共有しながら、正しい服用方法や注意事項とともに、継続して患者さんが内服できるような方法をアセスメントしましょう。

 

特に、心房細動や心房粗動の患者さんは、脳梗塞などの全身性塞栓症の二次的なリスクが高くなってくるので、抗凝固薬の飲み忘れのないよう指導が必要です。

 

一見自覚症状に乏しい患者さんも少なくありません。「階段をのぼると息が切れたり、きついと感じる」「疲れやすい」「1週間で2kg以上体重が増える」などの問題が生じていないか、細かい病歴聴取が重要です。

 

症状はなくても、1日1回は自分の脈拍を確認する(検脈)習慣をつけてもらいましょう。

 

心不全徴候の確認のため、家庭でできることは体重測定です。毎日体重を測定するように指導しましょう。

 

 

不整脈の看護の経過

不整脈の看護を経過ごとにみていきましょう(表1-1表1-2表1-3)。
看護の経過の一覧表はこちら

 

表1-1不整脈の看護の経過 発症から入院・診断

不整脈の看護の経過 発症から入院・診断

 

表1-2不整脈の看護の経過 入院直後・急性期

不整脈の看護の経過 入院直後・急性期

 

★1 ペースメーカを挿入した場合(急性期)
★2 カテーテルアブレーションを挿入した場合

 

表1-3不整脈の看護の経過 一般病棟・自宅療養(外来)に向けて

不整脈の看護の経過 一般病棟・自宅療養(外来)に向けて

 

★3 ペースメーカを挿入した場合(自宅療養[外来]に向けて)
★4 心不全の場合
★5 虚血性心疾患の場合

 

表1不整脈の看護の経過

 

※横にスクロールしてご覧ください。

 

不整脈の看護の経過 一覧表

 

★1 ペースメーカを挿入した場合(急性期)
★2 カテーテルアブレーションを挿入した場合
★3 ペースメーカを挿入した場合(自宅療養[外来]に向けて)
★4 心不全の場合
★5 虚血性心疾患の場合

 


文献

  • 1)百村伸一編:心臓病の治療と看護 (NURSING̶Cure and Care Series).南江堂,東京,2006.
  • 2)医療情報科学研究所編:year note 2019.メディックメディア,東京,2018.
  • 3)大八木秀和:まるごと図解 循環器疾患.照林社,東京,2013.

 


本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

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[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 循環器 第2版』 編集/新東京病院看護部/2020年2月刊行/ 照林社

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