チューブの挿入時、患者を座位または半座位にするのはなぜ?|経管栄養
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回はチューブ挿入時の注意点に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
チューブの挿入時、患者を座位または半座位にするのはなぜ?
経管栄養を行うためには、鼻あるいは口を通してチューブを胃まで挿入する必要があります。この時、患者を座位あるいは半座位にするのは、咽頭と食道が一直線になるようにするためです。
口腔、咽頭、食道がほぼ一直線になることで挿入しやすくなり、チューブを誤って気管に入れるというミスが起こりにくくなります。
鼻から咽頭まで挿入する際は、患者の頭をやや前屈させます。咽頭部まで入ったら、患者に嚥下してもらい、そのタイミングに合わせて挿入します。
挿入時の患者の苦痛を軽減するためには、食道上部狭窄部位を通過させる時は速やかにかつ慎重に行い、通過後は嚥下運動とともにゆっくりと挿入することです。無理に挿入すると粘膜を傷つけたり、食道上部を通過する時に嘔吐反射を誘発することがありますので、注意が必要です。
挿入の確認
経鼻チューブが正しく挿入できていれば、チューブが咽頭をまっすぐに通過しています。
チューブがとぐろを巻いている場合は、正しく挿入できていません。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版