女性生殖器にはどのような器官があるの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は女性生殖器に関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
女性生殖器にはどのような器官があるの?
女性生殖器は、腟の外側にある外性器と体内にある内性器から構成されています。
外性器は外陰部ともいい、恥丘、陰唇、外尿道口(がいにょうどうこう)、腟口(ちつこう)、大前庭腺(バルトリン腺)で構成されます(図1)。
図1女性生殖器(外性器)
これに対して内性器は、1対の卵巣と卵管、子宮、腟から構成されます(図2)。
図1女性生殖器(内性器)
腟は外陰部と子宮頸部をつなぐ管状の器官で、長さは7~8cmです。性成熟期の女性の腟内は、細菌の侵入を防ぐために酸性(pH4~5)に維持されていますが、閉経後や小児の腟は中性になっています。
これにはエストロゲンの分泌量が関係しています。腟の上部にある、洋ナシに似たかたちの器官が子宮です。子宮壁は厚さ1cmほどの平滑筋から構成され、内面は粘膜(子宮内膜)でおおわれています。
子宮内膜は受精卵にとってはベッドのようなもので、受精卵が着床するとその厚みを増します。妊娠しなかった場合、子宮内膜は脱落、剥離します。これが月経です。
子宮の上部から両手を左右に広げたように伸びているのが卵管で、先端部はラッパのように広がり、その先にアーモンドのようなかたちをした卵巣があります。
卵巣は卵子を成熟させる器官で、さまざまな発達段階の卵細胞(卵胞)を抱えています。
※編集部注※
当記事は、2018年6月11日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版