肝機能が低下するとどうなる?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
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今回は「肝機能」に関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
肝機能が低下するとどうなる?
肝機能が低下すると、代謝、排泄、解毒などのあらゆる方面に影響が及びます。
消化、吸収に対する影響は栄養状態の低下です。肝機能が低下すると糖質代謝、脂質代謝、タンパク質の合成能が低下するため、栄養状態が悪化した状態になります。
肝臓の消化にかかわる主な働きは次のとおりです。
①グルコース(ブドウ糖)からグリコーゲンをつくり、肝臓内に蓄えます。血液中にグルコースが不足すると、グリコーゲンをグルコースに分解して送り出し、血糖値を一定に保ちます。
②脂肪酸の分解、コレステロールの生成を行います。
③不要なアミノ酸を分解して尿素をつくります。
肝機能が低下すると、消化・吸収された栄養素を身体が使いやすいようなかたちに変える、栄養素を貯蔵する、不要物を排出するなどの機能が果たせなくなります。
※編集部注※
当記事は、2016年9月26日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版