年齢、性別、体格などにより栄養摂取量が違うのはなぜ?

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は栄養摂取量に関するQ&Aです。

 

江口正信
公立福生病院診療部部長

 

年齢、性別、体格などにより栄養所要量が違うのはなぜ?

 

年齢、性別、体格などによりエネルギー所要量が違うためです。

 

〈目次〉

 

食事摂取基準とは

食事摂取基準は、健康な個人及び集団を対象として国民の健康の保持・増進生活習慣病の予防のために参照するエネルギー及び栄養素の摂取量の基準を1日当たりの数値で示したものです。

 

生活習慣の予防及び重症化予防に加え、高齢者の低栄養予防やフレイル予防も視野に入れて策定されています。(日本人の食事摂取基準2020年版)

 

エネルギー必要量とは

エネルギー必要量の推定値の算定には基礎代謝量が必要です。基礎代謝量は年齢性別身長体重を用いて算出します。

 

実際には身体活動レベルをI(低い)、II(ふつう)、III(高い)に分けて、それぞれの年齢階級別推定エネルギー必要量が示されています。また、乳児期は、0~5か月、6~8か月、9~11か月の3期に分け、1~17歳を小児、18歳以上を成人としています。妊婦・授乳婦については、妊娠・授乳に伴って必要となるエネルギー量を付加して必要量としています。

 

一般に、エネルギー必要量は加齢とともに低下しますが、これは主として基礎代謝量の低下によるもので、身体活動量が低下することも原因です。

 

ポイント
  • 食欲がない場合は苦痛にならないよう無理に食事を勧めないことも必要です。栄養必要量を考えるのも大切ですが、本能的に食事を食べたくないという身体の反応も捉えることが重要です。
  • 1日の生活リズム(活動と休息のバランス)を整えてお腹が空くようにしていくことも大切です。
  • 水分摂取もできるように患者のADLに合わせて準備しておきましょう。
  • 栄養状態をアセスメントするための情報に身長体重、BMIがあります。
    BMIは体重(Kg)÷身長(m)2で計算します(普通18.5以上25未満)。

 

※編集部注※

当記事は、2016年11月1日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 

⇒〔看護技術Q&A一覧〕を見る

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版

SNSシェア

看護ケアトップへ