誤嚥予防のために、うなずき嚥下がいいのはなぜ?
『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は誤嚥予防に関するQ&Aです。
江口正信
公立福生病院診療部部長
誤嚥予防のために、うなずき嚥下がいいのはなぜ?
うなずき嚥下とは
嚥下時には口腔内で形成された食塊が、咽頭から食道に円滑に送り込まれる必要があります。しかし、咽頭では食塊の残留しやすい部位が2か所あり、その1つが梨状陥凹(梨状窩)であり、この場合には横向け嚥下が有効とされています。
もう1つの残留しやすい部位が喉頭蓋谷であり、これを防ぐには頚をまず後屈させ、重力によって喉頭蓋谷に残留した食塊を咽頭後壁に落とし、その後に頚を前屈させて食道の入口部を開き、また気管入口部の角度も急となり誤嚥を防ぐことができます。
上記の一連の流れが、うなずく動作と類似しているためうなずき嚥下とよばれています。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版