心臓血管外科の術後患者の療養上の管理
『ICU看護実践マニュアル』(サイオ出版)より転載。
今回は、「心臓血管外科の術後患者の療養上の管理」について解説します。
木村満美子
市立青梅総合医療センター 看護師
黒木秀仁
市立青梅総合医療センター 看護師
療養上の管理の目的
ICUにおける、心臓血管外科術後患者の療養上の管理を理解して日常の看護に当たることができる。
療養上の管理の方法
胃管
胃管が挿入されている、鼻腔側に排液バッグをセッティングする。
胃管からの排液量も IN-OUT に加える。
胃管抜去は、患者の状態に合わせて行われる。
基本的には、抜管後 3 時間が経過すれば飲水可能となる。
創痛・術後疼痛
抜管前であれば点滴による鎮痛剤投与、抜管後であれば内服投与が基本である。
患者に疼痛・創部痛を尋ね、症状を軽快できるように援助していく必要がある。
創痛によって、咳嗽がしっかりできないと排痰困難による術後肺炎を合併しうることがあるので、すぐに、除痛できるような援助が必要である。
IN-OUTバランス
食事摂取量は、グラムカウントを行う。
食事量とお茶は分けて IN-OUT バランスに入れ計算する。
血液ガス採血・採血量、また、血液ガス採血に伴う捨血量も IN-OUT バランスに入れてカウントする。
バイタルサイン測定
バイタルサイン測定は、必ず、仰臥位にて行う。
S-G カテーテル挿入中で、ビジランスモニターに測定値が表示されている間は、基本的に 1 時間ごとにバイタルサイン測定を行う。
S-G カテーテル挿入が、長期にわたる場合には、医師とバイタルサイン測定間隔を相談する。
抜管するまでは、意識レベル・瞳孔径を観察する。抜管後は、「創部痛 / 呼吸困難感」へと観察項目を変更し、患者の主観的訴えを観察する。
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本連載は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『ICU看護実践マニュアル』 監修/肥留川賢一 編著/剱持 雄二 サイオ出版
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ICU看護実践マニュアル
ICU看護に必要なことを収載した書籍の目次ページ。ICUの現場で新人への指導や自身の知識の再構築にも役立つとともに、ICU看護の標準化・手順の見直しにも活用できます。