ICUにおける暗室管理|ICU における脳神経外科患者の看護
『ICU看護実践マニュアル』(サイオ出版)より転載。
今回は、ICUにおける「暗室管理」について解説します。
斎藤篤志
市立青梅総合医療センター 看護師
剱持雄二
市立青梅総合医療センター 集中ケア認定看護師
平林拓海
東京科学大学病院 医員
- 目隠しをしているので処置の際は声掛けを行う。
暗室管理の目的
刺激を最小限に抑え、血圧の上昇を予防し再出血を防ぐ。
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暗室管理の方法
必要物品
- 目隠し用ガーゼ5枚程度(不織布ガーゼで代用してもよい)
- サージカルテープ
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準備
1原則として個室など騒音や光刺激が遮断できる場所にて管理する。
2カーテンを閉め、電気を消す。
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入室後
1なるべく刺激・体動・音・光などを最小限にする。目にガーゼを当てる。
2患者に刺激を与えないように意識レベルを確認する。
3瞳孔径は、目のガーゼを少しはずして確認する。対光反射は見ない(医師に確認)。
4採血やルート確保が必要な場合は、医師に確認後施行する。
5必要時、医師指示にて鎮静剤投与する。
6必要時、術衣に更衣する。
7医師が家族に説明後、家族の面会を行う
8家族に暗室管理について説明し、面会時はなるべく刺激を与えないように説明する。
9血管造影について、医師に確認する。血管造影や手術が決定したら家族に手術時間や来院時間を伝える。
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血管造影
- 検査手順(脳血管造影参照)
- 必要物品:抗生剤、ミダゾラム、ペンタゾシン(ソセゴン)持参の指示があるか確認する。
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留意点
暗室管理継続の有無
手術後は、暗室管理継続か解除か、医師に確認する。
日常生活援助時(術前)
- 1体位変換:医師の指示を確認し、ゆっくりと身体の向きを変える。
- 2排便:床上排泄。意識がある場合、力まないよう説明する。
- 3清拭・陰部洗浄:医師の指示を確認する。
- 4吸引・口腔ケア:医師の指示を確認する。
- 5移動:医師へ連絡し一緒に行う。
- 6処置時の注意点:目隠しをしているので処置の際は声掛けを行い、驚かせないようにする。
※134を施行する際、鎮静剤を早送りするか主治医へ確認する。
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本連載は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『ICU看護実践マニュアル』 監修/肥留川賢一 編著/剱持 雄二 サイオ出版
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ICU看護実践マニュアル
ICU看護に必要なことを収載した書籍の目次ページ。ICUの現場で新人への指導や自身の知識の再構築にも役立つとともに、ICU看護の標準化・手順の見直しにも活用できます。