プレパレーションの流れ
『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』(インターメディカ)より転載。一部改変。
今回はプレパレーションの流れについて解説します。
佐々木祥子
東京都看護協会/小児看護専門看護師
プレパレーションの流れ
プレパレーションは検査・処置・治療の前に説明をすることだけではなく、開始前から終了後まで継続したかかわりを行う。
1 環境整備・準備
●患児の目線で、廊下や処置室などの壁面に恐怖心や緊張を取り除くような飾り付けを工夫する(図1)。
●看護師のユニフォームや看護用品(血圧計、聴診器など)は、患児の興味を引く色彩やキャラクターなどを活用し、患児がなじめるようにする。
図1 患児の目線で飾り付けをする
2 アセスメント
●発達段階、理解力、経験の有無、興味をもっているもの(好きな遊び・キャラクターなど)、不安や緊張の程度、対処行動、家族からの説明の内容など情報を得る(図2)。
●得られた情報をもとに「いつ」「だれが」「どこで」「どのように説明するか」について具体的な方法を検討し、計画を立てる。
図2 患児のアセスメント
3 説明
●遊び(会話、絵本、人形など)を用いて、これから体験する検査・処置などについての心の準備ができるように伝える(図3)。
●検査や処置に実際に使用する看護用品や医療器材を見せたり、触れたりさせ、患児の反応を見ながら疑似体験できるようかかわる。
●検査や処置を受ける方法を患児が選択し、主体的に参加できるように支援する。
図3 検査や処置を疑似体験させる
4 ディストラクション
●検査や処置の最中に、五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を刺激したり、患児の好きなもの、興味のあるものなどで気をそらす。
●ディストラクションには、「会話」「数をかぞえる」「歌をうたう」「音がでるおもちゃ・絵本」「光るおもちゃ」「動くおもちゃ・絵本」などを用いる(図4)。
図4 ディストラクションで使うおもちゃ
5 終了後のケア
●検査や処置が終わったことを伝え、頑張りをほめる(図5)。
●「ごほうびシール」や「ごほうびメダル」などを渡し、達成感を高める。
●検査や処置の終わった後に会話やごっこ遊び行い、体験を振り返り、感情を表現する場をつくる。
図5 頑張りをほめる
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本連載は株式会社インターメディカの提供により掲載しています。
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[出典] 『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』 監修 山元恵子/編著 佐々木祥子/2022年7月刊行/ インターメディカ