プレパレーションの特徴
『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』(インターメディカ)より転載。一部改変。
今回はプレパレーションの概要について解説します。
佐々木祥子
東京都看護協会/小児看護専門看護師
プレパレーションの特徴
- 正しい情報を伝える。
- 検査・処置・治療などについての理解を助ける。
- 発達段階に応じた遊びを取り入れて行う。
- 患児の気持ちを表出できる機会をつくる。
- 患児の対処能力(自ら乗り越える力)を引き出す。
- 達成感や肯定感を高める。
- 医療者との信頼関係をつくる。
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プレパレーションの種類
プレパレーションは図1の種類に分けられる。
図1 プレパレーションの種類
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プレパレーションとは
心理的準備ができるよう援助することを指す。
情報の提供
どうして手術が必要なのか、どうして処置を行うのかなどを、イメージできるようにわかりやすく話す。その際、患児にはイラストや写真を用いてパンフレットなどで説明したり、実物や人形などを用いて疑似体験できるよう説明する。
医療への参加
検査や処置の方法を親や医療者といっしょに選択したり、患児のタイミングで検査や処置が進められるように支援するなど、患児が主体的に参加することによって、達成感や肯定感が高められる。
感情の表出
泣きたい気持ち、こわい気持ち、逃げ出したい気持ちなど、正直な気持ちが表現できるようかかわる。
それには、患児の気持ちを否定せず、共感的・受容的に聞くことが大切である。
家族の参加
親やきょうだいも患児と共に参加することにより、患児は安心が得られ、親(きょうだい)自身の不安を軽減できる。
小児にはインフォームド・アセントを!
患児が学童以下の場合、医療者の説明を理解し、選択・決定を行い、責任をとることは困難。インフォームド・コンセント(IC)ではなく、インフォームド・アセント(IA)が行われる。
IAは同意レベルの賛同であり、説明し、了解を得ることは変わらないが、責任の重さに違いがある。
患児の発達に応じて、気付きを助け、気持ちを引き出すのがアセントである。患児に威圧的に接したり、だましたり、うそをついてはいけない。また、患児からIAを得ても、親の同意を得ることが重要である。
IC、IAでの説明ポイントは次のようなものである。
●何が行われようとしているのか?
●なぜ、それが行われるのか?
●その結果はどうなるのか?
●治療による利益とリスクは何があるのか?
●利益とリスクを含めて、その他の選択肢には何があるのか?
●何もしないとどうなるのか?
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本連載は株式会社インターメディカの提供により掲載しています。
単行本に収録されているWeb動画は掲載していません。視聴されたい場合は、単行本をお買い求めください。
[出典] 『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』 監修 山元恵子/編著 佐々木祥子/2022年7月刊行/ インターメディカ