小児看護における医療者間の連携
『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』(インターメディカ)より転載。一部改変。
今回は小児看護における医療者間の連携について解説します。
山元恵子
富山福祉短期大学看護学科長
佐々木祥子
東京都看護協会/小児看護専門看護師
医療者間の連携
患児に最善の医療を提供するためには、看護師・医師・保育士・薬剤師・栄養士・教師・ケースワーカーなど、患児を取り巻く専門職チームが十分なコミュニケーションをとり、連携を図っていくことが必要である。
医師との連携
看護師は、医師・患児間のコミュニケーションを支援する役割を持つ。
医師から患児・家族への説明を補足したり、家族の代わりに医師に質問するなどの援助が求められる。
同時に、医療行為に対する反応、日常生活の情報を医師に提供。記録面での連携も大切である。
医師以外の医療職・専門職との連携
保育士・薬剤師・栄養士・教師・ケースワーカー・訪問看護師など、患児と家族を取り巻く専門職に対しては、患児の姿をみせ、合同カンファレンスを持ち、連携を図っていくことが大切である。
患児の疾病や社会的背景に合わせ、保育士・ケースワーカーの協力を得て、社会資源を活用するなどの支援も必要となる。
POINT
医療保育とは
■医療の主体である患児とその家族を対象として、専門的な保育支援(心理状態・社会関係なども含めた、総合的な保育と支援)を通じ、QOLの向上を目指す。
■医療保育士は患児や家族にとっては、もっとも身近な育児の専門家。病院に保育士を配置することで、平成14年から保育加算が認められている。
最善のパートナーシップ
患児にとって最善の医療を保証するチーム間の連携を実現するには、病診連携や医療保育士の活用など、さまざまなアプローチが求められる。
病診連携の1つとして、病院のベッドを開業医に貸し出すオープンベッドや、開業医が病院で夜間救急診療を行うなどの試みも行われている。
また、医療現場で患児に遊びや学習などの支援を行う医療保育士は、今後ますますその活躍が期待されている。
患児にとって最善の利益を保証するには、病医院内に限定されない社会的連携が大切である。
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本連載は株式会社インターメディカの提供により掲載しています。
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[出典] 『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』 監修 山元恵子/編著 佐々木祥子/2022年7月刊行/ インターメディカ