味覚とは・・・
味覚(みかく、taste)とは、舌に多く存在する味蕾(みらい)にある味覚細胞に刺激が加わることで、神経を介して脳に情報が伝わり味を感じる感覚のことである。
舌前2/3の味覚は顔面神経(舌神経)、舌後1/3の味覚は舌咽神経が司っている。軟口蓋は大錐体神経、咽頭、喉頭は迷走神経が司っている。
味覚の種類
味覚は甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つの基本味から構成される。舌の部位によって基本味の感じ方に極端な差があることはないが、甘味や苦味をより感じやすい。
味覚の異常
味覚の異常とは「食物の味が薄い・わからない(味覚減退・消失)」、「何も食べていないのに苦味・甘みを感じる(自発性異常味覚)」、「本来の味とは異なる(異味症)」、「酸味と塩味を間違える(錯味症)」、「食物が何ともいえない嫌な味に感じる(悪味症)」、「ある特定の味質のみわからない(解離性味覚障害)」などの様々な味覚の変化を統括していう。
障害の部位として、受容器(味蕾)、神経、中枢、心因性があり、特発性(原因不明)、薬剤性、亜鉛欠乏性、心因性、感冒後などが原因であることが多い。
引用参考文献
1)阪上雅史.“味覚障害の診断と治療”.日本耳鼻咽喉科学会会報.
2)澤田真人.味覚閾値測定ならびに味覚閾値に影響する要因に関する研究.口病誌, 2005,28-41.
3)野村恭也監.新耳鼻咽喉科学 改訂11版.南山堂,2013,p764.(ISBN:978-4-525-37051-0)
4)池田勝久他編.EBM耳鼻咽喉科・頭頸部外科の治療2015-2016.中外医学社,2015,328-329.(ISBN:978-4-498-06270-2)