小児の発達段階
『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』(インターメディカ)より転載。一部改変。
今回は小児の発達段階について解説します。
山元恵子
富山福祉短期大学看護学科長
佐々木祥子
東京都看護協会/小児看護専門看護師
小児は段階的に発達-ピアジェの理論を紹介
発達の進み方には2つの考え方がある。1つは連続的な発達、もう1つは段階的な発達。ピアジェの考え方は後者で、「ある時期になると力を獲得し、飛躍的に変容する階段状の傾斜を上る」というものである。
発達段階の分け方にはさまざまな考え方があるが、一般的には生後28日までを新生児、0~1歳までを乳児期、1~6歳までを幼児期、6~12歳までを学童期、12~18歳くらいまでを思春期という。
ピアジェの認知発達理論(図1)
感覚運動的段階 誕生~2歳ごろまで
言葉を使うことはできないが、見たり、聞いたり、触ったりすることで、動きのあるものに関心を示し、人や物とのかかわりを楽しみながら外観の世界と交流する。
前操作期 2~7歳ごろまで
言葉が少しわかるようになる。言われたことを頭に思い浮かべることができるが、それを十分に操作することができず、自己中心的に願望と現実が交差している。
親との情緒的な結びつきが形成され、模倣能力が伸びて、ごっこ遊びをするようになる。
具体的操作期 7~11歳ごろまで
言葉が理解できるようになる。物事を体系立てて考えることが可能になり、論理的な思考や推理ができるようになる。
しかし、この時期は具体的、現実的でない事柄や状況、物事に関してはまだ十分論理的な思考ができない。
形式的操作期 11歳~成人まで
言葉から文脈で物事を考えることができる。抽象的なものについても「仮説演繹的」な形で推理することが可能となる。思考の対象が非現実「命題」であり、仮説を立てながら、その関係性について考えることが可能となる。
・低次の段階を通過しなければ、高次の段階に到達できない。
・発達段階は、外因刺激により異なる。
・段階の出現順位は一定であるが、個々の発達により異なる。
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[出典] 『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』 監修 山元恵子/編著 佐々木祥子/2022年7月刊行/ インターメディカ