【早見表】何月がいい? 看護師の転職におすすめの時期
看護師さんが転職するなら、いつの時期が良いのでしょうか?
近々転職を考えている看護師さんに向けて、転職におすすめの時期・月ごとの転職市場の動向を解説します。
目次
【応募先で変わる】看護師におすすめ転職時期
看護師さんにおすすめの転職時期は、応募しようと考えている病院・施設によって変わります。
具体的には、
- 大学病院や総合病院、大手の訪問看護ステーションといった規模の大きな病院・施設に転職したい場合
- 中小規模の病院やクリニック、パート勤務に転職したい場合
とで、大きく2つに分かれます。
自分の希望に合わせて、おすすめの時期を見ていきましょう。
1大学病院・総合病院・大手の施設
1)春から動き出し、翌年4月入職がおすすめ
大学病院や総合病院、大手の訪問看護ステーション・介護施設といった規模の大きな病院・施設に転職を考えている場合、転職活動を始めるのは3月~5月、実際に転職(入職)するのはその翌年の4月がおすすめです。
なぜなら、一定規模以上の病院・施設では毎年、「4月入職」の中途採用枠を設けているところが多く、選考は「前年の春~夏」にかけて行われることが多いからです。
特に4月~5月は「翌年の4月入職」の求人が多く出る傾向にあるので、早め早めに求人をチェックし始めましょう。
その後、選考を経て7月~9月に内定をもらったら、今の職場の就業規則に従って退職交渉や業務の引き継ぎなどを行い、3月末で退職・4月1日から入職――というスケジュールが一般的です。
キャリアアドバイザー
大きな病院・施設の採用活動は年々、時期・タイミングが早まっています。
「夏には来年の4月入職の枠が埋まっている」というケースも増えているので、早め早めに動くことをおすすめします。
2)夏・冬ボーナス後もおすすめ
とはいえ「もう春は過ぎちゃったよ…」「4月を待たず早く転職したいんだけど…」という方は、夏・冬ボーナス後のタイミングで転職活動を始めるのも良いでしょう。
なぜなら毎年ボーナス後には退職者が増えるため、欠員が出た病院・施設の求人が増える傾向にあるからです。
また、このタイミングであれば病院側も「できるだけ早く入職してくれる人」を探しているケースも多いため、翌年4月を待たずとも入職できることもあるでしょう。
スケジュールとしては、夏ボーナス後の場合は6月~7月に情報収集を始め、秋ごろまでに内定をもらったら入職、冬ボーナス後の場合は12月~1月に情報収集を始め、年始~2月頃に内定をもらったら入職――という流れが考えられます。
キャリアアドバイザー
年度の途中で入職する場合、内定後は速やかな入職を求められるケースもあるため、転職活動をしつつ、退職の準備も並行して進めておく必要があります。
2中小規模の病院・クリニックやパート勤務
入職したい時期の2~3カ月前に動き出そう
中小規模の病院やクリニック、パートタイム勤務に転職したい場合は、希望する入職時期の2~3カ月前から転職活動をするのがおすすめです。
こうした病院・施設は採用枠が限られており、欠員が出たタイミングで不定期に少人数の採用をすることが多いため、一概に「この時期に求人数が多い」とは言えないからです。
求人数も限られるので、募集が出てもすぐに埋まりがち。こまめな情報収集と、スピーディーな応募がカギです。
あくまで傾向ですが、以下のような時期には、比較的求人数が増えるようです。
- 夏・冬のボーナス前後
(6~7月、12~1月頃) - 家族の都合で転居などが発生する時期
(9~10月、3~4月頃)
キャリアアドバイザー
転職活動と同時に進めておきたいのが、退職の準備です。トラブルなく辞められるよう、退職の流れややるべきことについて調べておきましょう。
そもそも看護師の転職は何年目がいい?
看護師の転職にベストな年次は、3年目以降といわれています。
一般的に、看護師として3年間働いた場合、
- 基本的な看護技術が身についている
- リーダーやプリセプターなども経験している
と判断されることが多いため、転職時に応募できる病院の選択肢がぐっと増えます。
一方、1年目や2年目の場合、
- 基礎的な知識・経験・技術が不足していることがある
- 「また早期に離職するのでは」と心配される
- 奨学金返済に関してトラブルになる可能性がある
といった懸念から、応募できる選択肢が限られてしまう場合も。
とはいえ1年目や2年目は転職できないというわけではありません。むしろ前の職場に染まっていない若手を歓迎する病院・施設もあるので、まずはどんな求人がありそうか、情報収集から始めてみましょう。
年次ごとの転職事情については、下記の記事も参考にしてみてください。
【何月がいい?】1月~12月の看護師の転職市場
この章では、月ごとの看護師の転職市場の動向を、年度始めの4月から順に紹介します。
月によって求人数や入職後のフォロー体制の充実度が異なるので、いつ転職するかの参考にしてみてください。
4月
新年度で人員確保できている病院が多く、来年度の採用計画もまだ立っていないため、全体的な求人数は少なめです。
ただ、規模の大きな病院・施設では、4月中旬以降に「翌年4月入職」の求人が出始めるので、そうした病院・施設への転職を考えている方は、早めに動き始めましょう。
一方、4月は入職時期としてはおすすめ。新人が入ってくる時期ということもあり、フォローが充実していることはもちろん、馴染みやすい雰囲気があるからです。
5月
規模の大きな病院・施設の多くで来年度の採用計画が立ち始め、「翌年4月入職」の求人が増えます。
一方、病院内はゴールデンウィークと新人研修でバタバタしているため、入職する時期としてはやや不向きです。
6月
規模の大きな病院・施設の「翌年4月入職」の枠が、徐々に埋まり始めます。
一方、夏ボーナス後に退職者の多かった病院・施設では、欠員補充の求人が出ることがあります。夏明けから秋に入職したい場合、こまめに募集状況をチェックしておきましょう。
6月の病院内は新人研修が落ち着き始めるため、入職にもおすすめの時期です。
ただし、夏ボーナスをもらってから辞めたい場合は、退職日をボーナス支給日より後に設定するよう、注意してください。
7月
求人数としては多くも少なくもない時期です。
入職時期としてはやや不向きで、病院内は夏期休暇を取得するスタッフも少しずつ出てくるため、入職後のフォロー体制には若干の不安があります。
8月
7月と同様、求人数は多くも少なくもないでしょう。
夏期休暇で人が少なく、病院内はバタバタしているため、入職するにはあまり向いていない時期です。
9月
9月になると、人気のある大きな病院・施設の「翌年4月入職」の求人は、ほとんど埋まっています。
一方、年末に増える退職者を補填する動きが強まり、中小規模の病院・施設を中心に「翌年1月~3月入職」の求人が増え始める時期でもあります。
大きな病院・施設への「翌年4月入職」にこだわらない場合は、この時期から情報収集を始めるのも良いでしょう。
10月
9月に引き続き、年末の退職者を見据え中小規模の病院・施設の「翌年1月~3月入職」の求人が増えてきます。
12月の冬ボーナスをもらい、1月から心機一転、新たな職場で働きたいと考えている方には、転職活動を始めるのにおすすめの時期です。
10月は入職時期としてもおすすめ。下期のはじめにあたるため、フォロー体制が整っている病院・施設が多いでしょう。
11月
10月に引き続き、中小規模の病院・施設の「翌年1月~3月入職」の求人数が多く出ています。「4月入職」の求人を出し始める中小規模の病院・施設もあるようです。
退職交渉や引き継ぎに必要な時間も考えると、「1月入職」を目指すなら急ぎ始めた方がいい時期です。
12月
11月に引き続き、中小規模の病院・施設の求人数は多い時期。この時期に転職活動を始めると、入職時期は2月~4月になることが一般的です。
年末年始で採用担当者が休みに入ってしまうこともあるため、転職活動を始めるなら上旬から中旬、あるいは年明けが良いでしょう。
冬ボーナスをもらってから辞めたい場合は、退職日に注意が必要です。
1月
新年度に向けて人手を確保したい多くの中小規模の病院・施設が「4月入職」の求人を出しているため、求人数は多め。
中小規模の病院・施設で4月から働きたい場合、動き始めるのにおすすめの時期です。
また、1月は新年度からの家族の転勤や進学などを受け、転職を検討するママナースが増えるため、クリニックなどの「日勤のみ」の求人も増える傾向があります。
「日勤のみ」の求人は少ない枠に多くの希望者が集まるため、こまめに募集状況をチェックし、早いうちから動き出しましょう。
2月
1月に引き続き、中小規模の病院・施設の「4月入職」の求人が多く出ています。
4月から新しい職場で働きたいという場合、退職交渉や引き継ぎを考えると、急いだ方がいい時期でしょう。
一方、中小規模の病院・施設を中心に夏ボーナス後の退職者を見据えた「来年度の7月入職」の求人が出始める時期でもあります。
夏ボーナスをもらい次第早めに退職したいという方は、この時期から動き始めるのも良いでしょう。
3月
新年度に向けて多くの病院で採用枠が埋まり始めるため、求人数が少しずつ減り始める時期です。
また、4月入職を目指している場合、この時期から退職交渉をしていては間に合わないため、転職活動を始める時期としてはあまりおすすめできません。
入職時期としても3月はやや不向き。年度末で退職する人が有給消化を始め、病院内は人手不足になるため、思うようなフォローが受けられない可能性があるからです。
キャリアアドバイザー
ここで紹介した内容はあくまで傾向です。
入職したい時期や、転職を考えている病院・施設によっておすすめの時期は変わってくるので、気になる方は看護roo!転職までお問い合わせください。
転職活動の疑問を解決!Q&A
転職する時期やスケジュールについて、よくある疑問にお答えします。
転職活動はどのくらいの期間をかけるもの?
情報収集を始めてから内定までは1~2カ月ほど
看護師の転職活動(求人の情報収集~内定)にかかる時間は、およそ1~2カ月ほど。多くの場合、3カ月以内には内定が出るケースがほとんどです。
短い方では1~2週間、長い方でも半年ほどでしょう。
ただし、入職を希望する時期の2カ月前から情報収集を始めればいい、というわけではありません。
応募先をなかなか決められなかったり、退職交渉が難航して時間がかかる可能性もあるので、余裕をもって「入職を希望する3~6カ月前」には情報収集を始めるのがおすすめです。
転職活動のスケジュールを立てるときは、まず、
- 転職したい(入職したい)時期
- 内定をもらいたい時期
- 退職を申し出る時期
の3つの時期をチェック・確認するのが無理なく進めるポイントです。
転職活動の進め方や方法について、くわしくは下記の記事で解説しています。
転職活動や入職に適さない時期はあるの?
「転職に適さない時期」というのは明確にはありません
「転職に適さない時期」というのは明確にはなく、地域によっても差があったり、その年の退職者の数や、希望する働き方などによってもばらつきが出ます。
首都圏・名古屋・大阪エリア
都市部では求人や採用は夏頃をピークに減少していく傾向があるため、病院の選択肢の多さや採用される確率などを考えると、なるべく春~夏にかけて転職活動を始めた方が有利でしょう。
ただし、ピークを過ぎてからの転職活動でも、求人が全くないということや、採用されないということはありません。
早めに求人を出し、募集を締め切ってしまう病院も多くありますが、その年の新卒入職者の人数や、退職者による病院全体の動きが確定してから採用を開始する病院もあります。
上記以外のエリア
都市部以外のエリアでは時期にかかわらず、1~3カ月以内に入職する方を対象に求人募集をしている傾向があるようです。
そのため、求人数のピークなどは厳密に言えません。
ただ、首都圏・名古屋・大阪エリアと同じく、早くから採用活動を始める病院・施設も徐々に増え始めているため、早めに動くに越したことはないでしょう。
キャリアアドバイザー
具体的に転職したい病院が決まっている場合、その病院の採用がスタートする時期も把握しておきましょう。
ただし、入職を希望する1年以上前に転職活動をするのは不適切ですので、早すぎる転職活動にならないように注意してください。
復職ナースの入職のタイミングはいつがいいの?
【4月】か【1月~3月】はフォローしてもらいやすい
現在休職していて復職を考えている場合、入職後のフォロー体制が比較的整っているのは、4月か1~3月です。その理由は下記の通り。
入職後のフォロー体制の傾向
4月
- 新人と同じタイミングで入職するので、わからないことがあれば新人と一緒に聞きやすい
- 新人研修に出られれば、看護技術などのおさらいができる
※病院により新人研修に出られるかどうかは異なります。
1月~3月
- 新人を迎える前の時期にあたるので、現場のスタッフが復職した看護師のフォローをしやすい
- 新人が入職して現場がバタバタする前に病院の雰囲気に慣れることができる
- 病院によっては、4月からの新人研修に出られることもある
※病院によりフォロー体制や繁忙期は異なります。
ただし、そもそも復職の場合は病院・施設側から「早め早めに入職すること」を求められることが一般的。
あまり入職時期にこだわりすぎず、入職できる時期の2~3カ月前から転職活動を始めると良いでしょう。内定をもらい次第、すぐに入職できるよう準備しておくことが大切です。
キャリアアドバイザー
復職の際、ブランクが長く不安な場合は、入職後にどのように現場で働いていくのがよいか、応募先の病院に相談し、自分に合った復職のしかたを検討できるとよいでしょう。
復職で不安がある場合は、求人票の「復職ナース歓迎!」などのコメントにも注目してみましょう。