認定心理士になるには?資格取得の流れや費用、看護師が取得するメリットなどを解説

看護師が取りたい資格図鑑『認定心理士』の記事のMV

 

認定心理士は、心理系の中で入門的な資格です。コミュニケーションや精神ケアに役立つ知識を得ることができるため、多くの人が取得しています。

 

この記事では、認定心理士の内容や、取得方法取得にかかる費用看護師が取得するメリットなどについて紹介します。

 

 

 

 

認定心理士とは

認定心理士は、心理学に関する基礎的な知識や技術を持っていることを証明する資格です。日本心理学会が運営している民間資格で、1990年にスタートしました。

 

資格取得のための試験はなく、大学や大学院で一定の単位を履修すれば認定を得られます

 

心理学の学習の過程でそのまま取得できることから、学生から社会人まで幅広い年齢層から人気です。

 

2023年時点で、7万人以上が認定心理士の資格を取得しています。

 

 

公認心理師や臨床心理士との違い

認定心理士と似ている資格に「公認心理師」と「臨床心理士」があります。

 

公認心理師は心理系唯一の国家資格であり、臨床心理士は民間資格です。

 

どちらも心理学のエキスパートとして活躍の場は多いですが、大学や大学院に数年間通学し、認定試験をクリアする必要があるため、資格取得のハードルは高いです。

 

一方で、認定心理士は試験を必要としないため、難易度は高くありません

 

その代わり、公認心理師や臨床心理士に比べると専門性が高くない分、心理系の専門職種に就けるというよりは、日頃の業務のスキルアップのために取得する人が多いのが特徴です。

 

 

認定心理士はどんな人が取得している?

認定心理士は幅広い職業の人が取得しており、中でも会社員や教育関係者の割合が多いです。また、看護師さんも取得し、日々の業務に生かしているという人もいます。

 

「患者さんの心のケアに生かしたい」
「患者さんとの接し方に自信を持ちたい」
「心理学を学びたいけれど、まずは入門レベルからスタートしたい」

 

と言う看護師さんにはおすすめの資格と言えるでしょう。    

 

 

認定心理士は意味ない?看護師が取得するメリット

認定心理士を取得するメリットはなんでしょうか。意味がない?という声も聞かれますが、実際はどうなのでしょうか。

 

そこで、看護師が認定心理士を取得するメリット・デメリットをお伝えします。

 

認定心理士の看護師が取るメリットを表した図版。働きながらスキルアップできるが、給料やキャリアアップにはつながりにくい

 

メンタルヘルス領域のスキルアップにつながる

認定心理士として心理学の知識を得ることで、患者さんへの対応の幅が広がります

 

患者さんの中には、病気やケガをすることで精神的なダメージを負う人も少なくありません。その症状は、不安や抑うつ、焦燥感などさまざまです。

 

患者さんの状況に応じて、最適な接し方や言葉選びを考えられるようになることは、大きなメリットと言えます。

 

 

働きやすい職場作りに貢献できる

認定心理士の資格取得で得た心理学の知識は、職場作りにも活用できます。

 

例えば、業務に悩みや不安がある部下、後輩のサポートのほか、人間関係の構築、研修・教育の場でのコミュニケーションがしやすくなります。

 

看護師さんは他の看護師さんや他職種との連携が必要な「チームプレー」の現場で働いています。

 

心理学の知識を生かして仲間が働きやすい環境を整えることで、院内の雰囲気の向上につながります

 

 

給料やキャリアアップにはつながりにくい

認定心理士は心理学の入門的な資格のため、資格取得そのものが、直接の給料アップやキャリアアップにはつながりにくいです。

 

認定心理士の資格だけで心理の専門職として働くというよりは、今の業務に認定心理士の知識を活用するケースや、今後メンタルヘルスに関わる仕事に就きたい人がステップアップの前段階として取得するというケースが多いようです。

 

 

看護師が認定心理士になるには

看護師が認定心理士になるためには、どうすればいいのでしょうか? 申請資格や認定までの流れを見ていきましょう。

 

 

認定心理士の申請資格 

認定心理士の資格取得に試験はありません。その代わりに、大学もしくは大学院で以下の所定の科目を36単位以上修得した上で、申請する必要があります。

 

認定心理士の申請に必要な所定の科目を表した図版。

 

看護師資格を取得する学科でも、資格申請に必要な科目を履修できるところもあります。

 

また、すでに社会人として働いている場合は、不足科目を通信制大学や放送大学で履修することも可能です。

 

 

認定心理士の資格取得までの流れや費用

認定心理士の資格の申請から取得までの流れは、以下の通りです。

 

認定心理士になるまでの流れ

 

申請には、日本心理学会のHPでダウンロードできる資格申請書の他に、履歴書や心理学科目修得単位表、卒業証明書などが必要です。

 

特に卒業証明書は発行に時間がかかることがあるので、提出までの時間に余裕を持って申請しましょう。

 

 

資格申請にかかる費用は、審査料が11,000円、合格後の認定料が33,000円です。

 

 

認定心理士になるまでに何が学べる?

認定心理士になるために必要な科目には、心理学のベースとなる「基礎科目」と専門的分野を学べる「選択科目」があります

 

心理学は臨床心理学や教育心理学、社会心理学など幅広いため、選択科目では自分の興味のある分野を選ぶことができます

 

例えば臨床心理学は、心の問題の原因を探り、回復を支援する知識と技法を学べるため、メンタルケアが必要な患者さんへの適切な接し方を学ぶことができるでしょう。

 

社会心理学は、人との関わりによって起こる心の動きや行動について学ぶため、円滑なコミュニケーションをとることで過ごしやすい職場作りに貢献することができます。

 

 

心理系資格に興味のある看護師さんにおすすめの資格

認定心理士に関する分野の資格取得を考えている看護師さんにおすすめの資格は、他に以下のようなものがあります。

 

 

臨床心理士

臨床心理士は、臨床心理学に基づく知識と技術を用いて、精神的なケアが必要な患者さんに対してメンタルケアを行うカウンセリングのエキスパートです。

 

臨床心理士になるには、指定の大学院に2年間通った後、年に1回行われる認定試験に合格しなければなりません。

 

心理学について専門的に学べるため、特に精神科領域において患者さんの心のケアについて追求するにはピッタリでしょう。

 

 

 

公認心理師

公認心理師は、2017年に制度がスタートされた、心理系唯一の国家資格です。臨床心理士と似ていますが、国家資格であることで、今後需要が増えていくでしょう。

 

看護師が公認心理師になるためには、大学卒業後、大学院での必要単位を取得して、国家試験に合格する必要があります。

 

時間や費用がかかるためハードルは上がりますが、メンタルヘルスの分野を極めたいと考えている看護師さんにはおすすめの資格です。

 

 

 

精神保健福祉士

精神保健福祉士(PSW)は、精神保健福祉分野のソーシャルワーカーの国家資格です。

 

心の病や悩みを抱えた患者さんの相談に乗り、日常生活の援助をします。学校や企業、行政機関でも活躍しています。

 

精神保健福祉士になるには、4年生の看護大学を卒業後(看護専門学校や短大卒の人は1~2年の相互援助業務の実務経験を経た後)、一般養成施設で1年以上知識やスキルを学び、国家試験に合格する必要があります。

 

精神疾患に対応できるだけでなく、高齢化が進み高齢者への精神福祉面での援助が必要になることからも、精神保健福祉士の需要は高まっていきそうです。

 

 

 

メンタルケア心理士 

メンタルケア心理士は、心理学やカウンセリングの基本的な技法を学べる比較的初心者向けの民間資格です。

 

メンタルケア心理士は、指定の通信講座を受講し「こころ検定」という検定試験の2級に合格することで資格を取得できます。

 

認定心理士や産業カウンセラーの資格を持っている人などは、通信講座の受講は不要です。

 

今の仕事を続けながら気軽にメンタルヘルス領域のスキルアップをしたい看護師さんにおすすめです。

 

 

 

まとめ

看護師さんが認定心理士の資格を取得すれば、悩みを抱えた患者さんへの医療の提供や職場作りにおいて、自信を持って取り組むことができるでしょう。

 

心理系の資格で迷っている看護師さんは、認定心理士を目指してみてはいかがでしょうか。

 

執筆:看護roo!編集部

 

 

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