嗜眠とは・・・
嗜眠(しみん、lethargy)とは、意識障害(意識混濁)の程度の一つである。放っておくと眠り続け、強い刺激を与えないと覚醒し反応しない状態であり、覚醒してもまたすぐに眠ってしまう。傾眠とほぼ同様の意味を持つが、傾眠と昏迷の間を指す意味として用いられることもある1)。
原因
嗜眠は以下のような原因で引き起こされる。
・睡眠障害(睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー)
・月経前期
・薬剤(向精神薬、睡眠薬、麻薬、抗ヒスタミン薬など)
・外傷
・中毒、代謝障害、脳血管障害、脳炎、脳腫瘍などの疾患
・徹夜など睡眠時間が極端に短い場合
嗜眠より軽度な症状には、昏蒙や傾眠がある。また、症状が悪化すると、昏迷、昏睡となる。
検査・診断
嗜眠と診断するには、意識レベルの評価で行う。評価方法は、我が国ではジャパンコーマスケール(JCS)や、グラスゴーコーマスケール(GCS)が導入されている2)。
引用参考文献
1)岩崎靖. 見て聴いて考える 道具いらずの神経診療 主訴別の患者の診かた(8) 意識障害のある患者の診かた. medicina. 46巻(1号),2009年1月号, 193-198.
2)日本脳卒中学会脳卒中ガイドライン委員会編. 脳卒中治療ガイドライン〈2015〉追補2017対応,第2版, 協和企画,2010,341p.(ISBN978-4877941949)