最終更新日 2018/03/02

睡眠時間

睡眠時間とは・・・

睡眠時間とは、睡眠している時間のことである。睡眠とは生理的な必要性から発生し、周期的に意識が消失する状態のことをいう。昏睡との違いは、他者により簡単に覚醒が得られることである。

 

ヒトは生まれてから数年の間に、睡眠・覚醒パターンが大きく変化する。新生児は多相性の睡眠であり、昼夜は関係なく、1日に何回も睡眠と覚醒を繰り返す。新生児では1日の合計睡眠時間は15~20時間である。合計睡眠時間は3カ月で14時間、1歳で12時間、幼児期には10~11時間となる。生後6カ月~1歳になると、夜間に睡眠が集中するようになり、夜間の主睡眠と日中数回の昼寝となる。やがて昼寝の時間の短縮、回数減少を経て、小学校に就学する頃には昼寝が消失して、夜間に集中して睡眠をとるようになる。

 

睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があり、ノンレム睡眠時に成長ホルモンが盛んに分泌され、内の神経ネットワーク形成や細胞の修復・生育、骨・筋肉形成が行われる。幼児期の睡眠の特徴としてノンレム睡眠が多いことが挙げられ、この時期に熟睡してノンレム睡眠を増やすことによって、成長ホルモンの分泌を促すことが、健全な精神・身体の発達や成長につながる。

 

幼児期おける睡眠の問題として、夜泣き、ベッドに行くのを嫌がる、寝つきの悪さ、いびき、無呼吸、寝言、夜尿、悪夢、睡眠時遊行などが挙げられる。また、年齢を経るごとに、生活リズムが夜型傾向になっていることも問題として挙げられるが、このことは脳や身体の発育途中にある小児にとって悪影響である可能性がある。

 

厚生労働省が公表した「健康づくりのための睡眠指針2014」では、「若年世代(10歳代)では夜更かし習慣を予防することが重要である」と記載されている。また「就寝時刻が遅い者ほど、メンタルヘルスの所見を有する割合が多く、一定しない睡眠-覚醒リズムおよび就寝時刻や起床時刻が遅いことが、学業成績の低さと関係している」と述べられている。

執筆: 佐々木 朗

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター小児救急フェロー

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