好酸球性多発血管炎性肉芽腫症とは・・・
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(こうさんきゅうせいたはつけっかんえんせいにくげしゅしょう、eosinophilic granulomatosis with polyangiitis;EGPA)とは、気管支喘息やアレルギー性鼻炎などが先行しその後に末梢血での好酸球増多、壊死性血管炎、肉芽腫性病変を生じる疾患である。ANCA抗好中球細胞質抗体(antineutrophil cytoplasmic antibody)関連血管炎の一つであり、難病に指定されている。アレルギー性肉芽腫性血管炎(allergic granulomatous angiitis;AGA)ともいう。
40~70歳の中高年に好発する。
チャーグ・ストラウス症候群(Churg-Strauss syndrome;CSS)とも呼ばれていたが、2012年より国際的に好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)に名称が変更された。
症状
発病の機構は今のところ不明であるが、アレルギー機序が示唆されている。症状は肺が主体で、気管支喘息は必発である。アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎の合併も多い。好酸球の増加に伴い、好酸球性肺炎を呈することもある。また、多くの例で多発性単神経炎が見られる。
検査・診断
血液検査では好酸球の上昇と、血清IgEの上昇、P-ANCA(MPO-ANCA)が陽性とになるのがアレルギー性肉芽腫性血管炎の特徴である。
診断にはアメリカリウマチ学会の分類基準が用いられ、喘息、好酸球10%以上、単発神経炎または多発神経炎、肺野浸潤、副鼻腔の異常、生検で血管外組織への好酸球浸潤の6項目のうち4項目以上満たせば感度85%、特異度99%とされている。
治療
治療は、ステロイドが主体とされ、シクロフォスファミドやアザチオプリンなどの免疫抑制薬の経口投与が併用される。治療抵抗例や重症例では、ステロイドパルス療法や免疫抑制薬の点滴静注療法を行う。予後は良好だが、末梢神経障害が残存することもあると言われている。