クッシング症候群とは・・・
クッシング症候群(くっしんぐしょうこうぐん、Cushing's syndrome)とは、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が過剰に分泌されることで起こる症候群であり、副腎過形成、副腎腫瘍、下垂体腺腫などが原因となる。
病因
クッシング症候群は、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)との関連で、ACTH依存性と非依存性に分類される。
ACTH依存性には、クッシング病(下垂体腺腫からのACTH過剰分泌)、異所性ACTH産生腫瘍(肺小細胞がん、胸腺腫など)などが含まれる。
非ACTH依存性は、医原性(ステロイド投与)や副腎腫瘍(副腎腺腫95%、副腎がん5%)が多いが、その他のまれな原因として、原発性副腎過形成などが含まれる。
症状・徴候
主にコルチゾールの過剰分泌による症状が認められる。ACTH依存性クッシング症候群、副腎がんではアンドロゲン過剰による症状も伴う。
・中心性肥満:満月様顔貌と体幹部は肥満し、四肢は細いのが特徴。バッファローハンプ(水牛様脂肪沈着)
・皮膚症状:皮膚線条、皮膚脆弱性
・筋肉・骨症状:筋力低下、骨粗しょう症、脊椎圧迫骨折、尿路結石
・循環器症状:高血圧、下腿浮腫
・性腺症状:月経異常、男性化症状
検査
クッシング症候群が疑われる場合には0.5~1mgの低用量デキサメタゾン抑制試験を行う。血中コルチゾール値が基準値以下に抑制されない場合にクッシング症候群の診断となる。その後に病型分類のために、各種負荷試験、画像検査(CT/MRI、副腎皮質シンチグラフィなど)を行う。負荷試験には、デキサメタゾン抑制試験、CRH試験、DDAVP試験などが含まれる。血漿ACTH、コルチゾール、尿中17-OHCSなどを測定する。
治療
原因に応じて治療方法は異なる。原則、腫瘍は手術もしくは放射線治療により治療する。