IgGとは・・・
IgG(あいじーじー)とは免疫グロブリンの一つで、主要な5つのクラスの中で血清中の量が最も多く(血清中の総免疫グロブリン量の約75-85%)、感染防御の中心的な働きをしている。
IgGの働き
異物が体内に侵入すると体内で免疫グロブリン(抗体)が産生され、その異物を排除するように働く。抗体は異物を特異的に認識する先端部分(Fab部、抗原結合部)と幹の部分(Fc部、定常部)に分かれており、まず先端部分で異物を特異的に認識し結合することから免疫反応が開始される。
図1IgGの構造
次いでオプソニン効果、補体活性化などを介して、IgGは免疫反応の中心的な働きを果たす。オプソニン効果とは、侵入した細菌などが抗体と特異的に結合し、その幹の部分(Fc部分)が目印のような働きをすることで、マクロファージや好中球などが異物を貪食しやすくなることを指す。また、補体活性化を介した免疫反応では、侵入した異物に結合した抗体と補体が結合することで補体経路が活性化され、侵入した細菌などに対する攻撃が可能となる。
IgGサブクラス
IgGには4つのサブクラスが存在し、血清中の量の多い順からIgG1, IgG2, IgG3, IgG4と名付けられている。それぞれ補体活性能、オプソニン化、胎盤通過能、半減期などが異なることが知られている。
主な特徴は下記の通りである。
*IgG1はウイルス、細菌外毒素などの蛋白抗原に対する抗体が多く含まれる。
*IgG1,3ではオプソニン化に優れる。
*IgG2は細菌多糖類に対する抗体が多い。
*IgG3は補体結合能が高いとされ、また胎盤通過能も高い。IgG4は胎盤通過性が良いが、補体結合しない。
臨床的意義
様々な免疫不全や自己免疫疾患などで、IgGの異常値を認める。免疫不全の中にはIgGサブクラス欠損症などが含まれ、自己免疫性疾患では全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、自己免疫性膵炎などが含まれる。