最終更新日 2018/03/07

クロピドグレル

クロピドグレルとは・・・

クロピドグレル(くろぴどぐれる)とは、第2世代のチエノピリジン系抗血小板薬で、商品名はプラビックス®である。

 

効果

血小板内のcAMP(環状アデノシン一リン酸)を増加させ、遊離カルシウムイオン濃度の上昇を抑制して、血小板凝集抑制作用を呈する。血小板凝集を抑制することで血栓の形成を抑制する効果がある。

 

現在日本では、虚血血管障害後の再発抑制、および経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される虚血性心疾患、末梢動脈疾患における血栓・塞栓形成の抑制に対して承認されている。

虚血性心疾患における薬剤溶出性ステント留置後のステント血栓症の予防には、アスピリンと併用するDAPT(Dual Antiplatelet Therapy:抗血小板薬二剤併用療法)が推奨されている。

 

注意すべきこと

クロピドグレル服用中は止血機能が低下しており、ワーファリン®のPT-INR(プロトロンビン時間国際標準比)などのようなモニタリングできる適切な指標がないため、出血性の合併症に注意が必要である。また、血小板への作用は不可逆的であるため、作用時間は血小板寿命に依存する。そのため手術などの観血的処置を行う場合には、必要に応じて10~14日間の休薬を行う。ただし中止が極めて危険と判断される場合は継続したまま処置を行うこともある。また、半減期の短いヘパリンを代替として持続点滴するなどの方法もしばしば行われる。

 

内服により消化管で吸収され、肝臓において薬物代謝酵素の一つであるCYP3C19によって代謝され薬効を発揮する。そのため、同じ代謝酵素で代謝される薬物と併用すると効果が減弱する可能性がある。また、この酵素には遺伝子多型があることが知られており、その型によっては代謝活性が低く、クロピドグレルが効果を示さない可能性もあるため、注意が必要である。

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