水中毒とは・・・
水中毒(みずちゅうどく、water intoxication)とは、過剰な水分摂取などにより中毒症状を来し、低ナトリウム血症を引き起こした状態である。
水中毒は精神疾患の患者、特に統合失調症の患者に起きやすい。入院中も蛇口の水などを大量に飲水する場合があるため、重症な患者には隔離措置が行われる。
原因
水中毒の原因は、水分の過剰摂取や抗利尿ホルモンの過剰分泌、コルチコイドの欠乏などである。
症状
食欲低下や頭痛、嘔吐、体重増加、浮腫などの症状が見られる。重症化すると全身痙攣や傾眠・昏睡といった意識障害を引き起こす。
治療
基本治療は水分摂取の制限である。精神疾患を抱える患者の場合は、隔離や拘束措置がとられることもある。
低ナトリウム血症が亢進した場合の治療については、一定の見解が得られていないが、血中ナトリウム濃度を確認しつつ、高張食塩水やフロセミドを併用する治療法などがある。
再発予防
日常的な飲水量管理や定期的な体重測定などが挙げられる。
引用参考文献
1)永井良三ほか.水中毒.看護大辞典.第6版,メヂカルフレンド社,2013,2083.(ISBN9784839214784)
2)吉岡成人ほか.疾患の理解.系統看護学講座 専門分野Ⅱ 成人看護学6.第14版,医学書院,2015,96.(ISBN9784260019880)