群発頭痛とは・・・
群発頭痛(ぐんぱつずつう、cluster headache)とは、一次性頭痛(病変に起因しない機能性の頭痛)の一種である。
病態
片側の眼窩~側頭部にえぐられるような重度の激痛が深夜に突発性的に生じ、約15分~3時間持続する。流涙、結膜充血、鼻閉、鼻漏、Horner症候群(交感神経の障害により眼瞼下垂、縮瞳、眼裂狭小、病側顔面の発汗低下の4徴候を生じるもの)などの自律神経症状を伴うことも特徴である。
群発期、寛解期を有することが多く、群発期にはほぼ毎日同じような時刻に生じるが、寛解期にはほぼ生じなくなる。その群発期の長さから反復性群発頭痛(約85%、数週間~数カ月の群発期と1カ月以上の寛解期を繰り返す)、慢性群発頭痛(約15%、1年以上慢性的に発作を繰り返し、寛解期は1カ月未満、あるいは認めない)に分類される。
原因
有病率は約0.1%で、20~40歳代の男性に多く、元々男性の方が女性より多いとされてきたが、徐々に優位性は下がってきている。高身長や大酒家のほか、喫煙との関連が示唆されており、飲酒や喫煙により頭痛が誘発される。有病者の5~20%に家族歴があったとする報告もあり、遺伝的素因が示唆されている。視床下部や三叉神経、または内頸動脈周囲などに発生源があるとされる説があるが、明らかな原因は不明とされている。
診断
診断には、頭部画像検査を含めた各種検査などにより二次性頭痛(頭蓋内出血や腫瘍といった病変による症候性の頭痛、あるいは副鼻腔炎や三叉神経痛)を除外することが必要である。鑑別として、くも膜下出血が挙げられるが、くも膜下出血の激しい頭痛は身動きがとれないが、群発頭痛は興奮状態にあり、のたうち回るという相違点がある。
治療
治療としては、急性期にはトリプタン製剤や高濃度(100%)酸素を吸入するといった治療があり、予防薬としてカルシウム拮抗薬が処方される。