最終更新日 2019/09/30

アセチルコリン

アセチルコリン とは・・・

アセチルコリン(あせちるこりん、acetylcholine:ACh)とは、代表的な神経伝達物質であり、運動神経の神経筋接合部、交感神経および副交感神経の節前線維の終末、副交感神経の節後線維の終末などのシナプスで放出され、機能する。コリンの酢酸エステル化合物。

 

1914年にアセチルコリンを発見したヘンリー・H・デイル、アセチルコリンが神経伝達物質であることを明らかにしたオットー・レーヴィは、1936年にノーベル生理学・医学賞を受賞している。

 

作用

アセチルコリンは、中枢神経で働く場合と末梢神経で働く場合で作用が異なる。

 

中枢神経で働く例

例えば内のアセチルコリンが減少しているアルツハイマー病では、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬によりアセチルコリンの作用を増強し、脳内の神経伝達を改善させる。

 

末梢神経で働く例

末梢の神経接続部で作用する場合は、筋収縮に作用する。自律神経(交感神経と副交感神経)の節前繊維や副交感神経の節後繊維に働く。徐脈、腸蠕動亢進、発汗、縮瞳、膀胱筋弛緩などの症状がみられる。

 

関連疾患

アルツハイマー病

アルツハイマー病では、脳内のアセチルコリンの活性が低下しており、アセチルコリンの活性の低下は、認知障害などの症状を引き起こす原因になると考えられている。

 

パーキンソン病

パーキンソン病では、ドパミンが減少し、アセチルコリンとのバランスが崩れるため、相対的にアセチルコリンの機能が過剰になり、運動機能の障害(振戦)が起こる。

 

引用参考文献
1)パーキンソン病(指定難病6).難病情報センター.
2)アセチルコリンとアルツハイマー型認知症.e-65.net.
3)畠中寛.伊藤正男ほか編.アセチルコリン.医学大辞典.第2版.医学書院,2003,249.(ISBN 9784260005821)

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