シナプスとは・・・
シナプス(しなぷす、synapse)とは、神経細胞であるニューロンと、次のニューロンをつなぐ接合部のことである。
構造
シナプスは、シナプス前膜、シナプス後膜により構成される。また、その向かい合う2つの間をシナプス間隙(かんげき)と呼ぶ。
・シナプス前膜:ニューロンの神経終末にあり、神経情報を出力する側
・シナプス後膜:次のニューロンの細胞体(あるいは樹状突起)にあり、神経情報を入力される側
神経情報の伝達
中枢(脳)からの指令を筋肉などの末梢の器官へ伝達したり、あるいは触覚や温痛覚などの末梢の感覚を中枢へ伝達したりするとき、神経情報はまず活動電位(電気信号)としてニューロンの神経終末まで伝わっていく。
活動電位が神経終末に到達すると、シナプスでは神経伝達物質を介した伝達に変換される。
(1)シナプスにおける情報伝達
具体的には、活動電位が神経終末に至ると、その刺激を受けてシナプス小胞という袋状の構造物がシナプス前膜で開口して、神経伝達物質をシナプス間隙に拡散する。
この神経伝達物質がシナプス後膜の受容体に結合すると、神経伝達物質は活動電位に再度変換され、次のニューロンを伝導していく。
活動電位はニューロン上では基本的に両方向に伝導する。しかし、シナプスでは上記のような情報伝達の仕組みにより、一方向のみに情報が伝達されるため、末梢から中枢へ、あるいは中枢から末梢への情報伝達がシナプスを越えて逆行することはない。
(2)シナプスにおける神経伝達物質の種類
シナプスにおける神経伝達物質はニューロンの種類や部位によって、いくつか種類が存在する。
例えば、運動ニューロンや副交感神経の神経終末で働くアセチルコリンや、交感神経の神経終末で働くノルアドレナリンなどがある。
引用参考文献
1)片野由美ほか.“シナプス伝達|生体機能の統御(2).”看護roo!.