鼻はどのような役割を果たしているの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は鼻の構造と役割について解説します。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
鼻はどのような役割を果たしているの?
鼻は空気の出入り口の1つです。外鼻(がいび)、鼻腔(びくう)、副鼻腔から構成されており、外鼻は顔面中央の隆起、鼻腔は外鼻孔(鼻の孔<あな>)から咽頭に続く空間、副鼻腔は鼻腔を囲む骨の内部にある空間です(図1)。
図1鼻の構造
鼻腔には、鼻毛の生えている前庭(ぜんてい)という部分と、その奥に上鼻道、中鼻道、下鼻道という3つの通路があります。鼻毛は、空気と一緒に吸い込んだホコリを取り除くフィルターの役割を果たしています。鼻腔に入った空気は、吸い込んだ勢いで鼻腔の天井に突き当たり、いちばん上にある上鼻道を通って気管に流れていきます。
鼻のもう1つの役割が、においを嗅ぎ分けることです。においを感じるのは吸い込んだ空気がぶつかる上鼻道の部分で、ここには嗅球(きゅうきゅう)というにおいを感じる受容器があります。ヒトの嗅覚は動物に比べると劣りますが、それでも 40万種のにおいを嗅ぎ分けることができます。
MEMO副鼻腔
細い管によって鼻腔と連絡しており、内面は粘膜でおおわれています。副鼻腔は、強い力が顔面にかかったときに衝撃を和らげたり、声をきれいに響かせたりする働きがあります。
※編集部注※
当記事は、2020年2月25日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版