においはどのように捕えられるの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は嗅神経の仕組みについて解説します。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
においはどのようにキャッチされるの?
嗅覚をつかさどっている感覚神経は嗅神経(きゅうしんけい)です。嗅神経の仕組みをみてみましょう。
上鼻道の天井部分は嗅粘膜という粘膜組織でおおわれており、粘液が分泌されています。この天井部分は切手1枚分程度の広さで、嗅上皮(きゅうじょうひ)とよばれます。嗅上皮には嗅細胞が約500万個もあり、粘液から突き出すように嗅毛という感覚毛が生えています。
吸い込まれた空気が上鼻道に突き当たると、空気に含まれているにおいの分子が嗅毛を震わせます。この振動が嗅毛の根元にある嗅神経に伝わり、嗅神経を通して電気信号として大脳皮質の嗅覚野に送られ、においとして認識されます。
嗅神経の先端は丸くなっているので、嗅球とよばれています。
※編集部注※
当記事は、2020年3月3日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版