味はどのようにして感じられるの?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は味蕾(みらい)について解説します。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

味はどのようにして感じられるの?

噛み砕かれて唾液と混ぜられた食物が、味蕾の微絨毛に接触すると、その刺激が味蕾の中の味細胞をとおして味覚神経細胞に伝わります(図1)。

 

図1味覚の神経伝導路

味覚の神経伝導路

 

味覚情報を伝える神経には2種類あります。舌体からの刺激は舌神経顔面神経を、舌根からの刺激は舌咽(ぜついん)神経迷走神経を通じて大脳皮質の味覚中枢に送られ、ここでどのような味なのか判断されます。

 

味覚は身体を守る感知器です。疲れると甘いものが食べたくなって甘いものをおいしいと感じたり、ときとして急に肉が食べたくなったりするのは、無意識にそこに含まれている栄養素を欲していると考えられます。反対に、まずいという感覚は、危険信号です。極度な苦味、耐えられないような味のものなどは、毒物や腐敗物など、身体にとって有害な物質である危険性があります。おいしい、まずいは、両方とも身体を守るための大事な反応です。

 

※編集部注※

当記事は、2020年2月18日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版

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