スローVTって、どんな波形?VTとつくから、やっぱり緊急?
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『いまさら聞けない!急変対応Q&A』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回はスローVTの波形について解説します。
大沢 隆
東海大学医学部付属病院 7B病棟(ICU・CCU)/集中ケア認定看護師
スローVTって、どんな波形?
VTとつくから、やっぱり緊急?
スローVT≒A
IVR(促進型心室固有調律)であり、波形はVTに似ていますが、別の波形であることが多いです。循環動態は安定していることが多く、緊急ではありません。
VTは超緊急
VT(心室頻拍)は、心室に起源を有する頻脈性の不整脈です。心拍数が1分間に100回以上で、心室期外収縮が3連発以上出現する場合とされています。
心拍数が増えれば増えるほど、心房から心室への血液の充填が追いつかなくなります。血液が少なくても、心室は血液を送り出そうとするため、結果的に心拍出量が減少します。
VTは、心拍数(頻脈の程度)やもともとの心機能により、以下の3つに分類されます。
①循環が維持できている場合(血圧低下がほぼない場合)
②循環動態が不安定な場合(著しい血圧低下、めまい、嘔気、失神がある場合)
③循環動態が破綻している場合(脈拍が触れない場合)
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スローVTは非緊急
VTとよく似たAIVR(促進型心室固有調律)という波形があります。いわゆるスローVTです(図1)。
AIVRは、心筋の再灌流後に心室の自動能が亢進した状態(心筋梗塞後など)でみられる波形です。
心拍数は70~120回/分で、循環動態は安定していることが多く、緊急を要する波形ではありません。
VTとの鑑別や心筋の評価が必要となる場合があるため、波形が変化した場合は12誘導心電図施行後、医師へ報告しましょう。
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本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。
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[出典] 『いまさら聞けない!急変対応Q&A』 編著/道又元裕ほか/2018年9月刊行/ 照林社