接触皮膚炎[かぶれ]|湿疹、皮膚炎②

『皮膚科エキスパートナーシング 改訂第2版』(南江堂)より転載。
今回は接触皮膚炎[かぶれ]について解説します。

 

白濱茂穂
聖隷三方原病院皮膚科部長

 

 

Minimum Essentials

1日常生活でさまざまな物質に接触することにより生じる湿疹である。接触物質の刺激による場合とアレルギー反応による場合がある。

2接触部位に一致して、赤みや腫れをきたす。激しいかゆみを伴う。

3重症度に応じて適切な外用薬、内服薬で治療する。

4原因が特定できた場合には、原因物質をできるだけ回避する。職業的理由などで無理な場合、多くは再燃を繰り返すこととなる。

 

接触皮膚炎とは

定義・概念

皮膚に接触した種々の物質が原因で発生する湿疹である。

 

原因・病態

接触した物質そのものの刺激による場合と、アレルギー反応による場合の2つがある。原因としては化粧品類、植物、ゴム類、金属、衣類、外用剤などの医薬品、唾液・涙・食べ物の付着によるもの、土や砂、セメント、農薬・化学薬品・石油類など多岐にわたる。

 

 

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診断へのアプローチ

臨床症状・臨床所見

接触部位に一致して、赤み、腫れ、丘疹や小さな水疱もみられる(図1図2)。激しいかゆみや灼熱感を伴う。

 

図1 外国製靴による接触皮膚炎

 

図2 湿布薬による接触皮膚炎

 

検査

生活様式や職業などから接触源を推測し、原因物質の確認にはパッチテスト(貼付試験)を行う。

 

 

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治療ならびに看護の役割

治療

おもな治療法

症状の重症度に応じて、適切な強さのステロイド外用剤、保湿薬を使用する。

かゆみの強い場合は、抗ヒスタミン薬抗アレルギー薬を内服する。重症例では、短期間ステロイド薬を内服することもある。

 

合併症とその治療法

激しい炎症によって日常生活に支障をきたすこともある。仕事や睡眠に影響が出ないように対応していく。

 

治療経過・期間の見通しと予後

原因が特定できた場合、その原因物質をできるだけ回避させる。職業的にその物質に接触せざるをえない場合、手袋などによる皮膚の保護を徹底させる。原因の回避および適切な治療が、その後の経過を左右する。

 

看護の役割

治療における看護

・何気なく使用しているものが原因であったりするため、詳しく話しを聞く。
・パッチテスト(貼付試験)の意味や重要性を説明する。
・原因除去が重要である。症状が軽快しても、再度接触すると皮膚炎を起こす可能性があることを説明する。
・職業的にどうしても原因となるものを使用しなければならない場合、手袋などによる皮膚の保護を勧める。

 

 

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本連載は株式会社南江堂の提供により掲載しています。

 

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[出典] 『皮膚科エキスパートナーシング 改訂第2版』 編集/瀧川雅浩ほか/2018年4月刊行/ 南江堂

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