妊娠末期に必要な検査とスクリーニング

『新訂版 周産期ケアマニュアル 第3版』(サイオ出版)より転載。
今回は妊娠末期に必要な検査とスクリーニングについて解説します。

 

立岡和弘
静岡市立清水病院産婦人科長

 

 

妊娠末期に必要な検査とスクリーニング

妊娠末期の胎児健康状態の評価は、胎児心拍数モニタリングと超音波検査とを併用して行われる。超音波検査では胎児推定体重と羊水量を測定する。

 

妊娠末期

妊娠28週0日〜分娩

 

 

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超音波検査

目的

妊娠末期の超音波検査は、次の目的で行われる。
①胎児形態異常の診断
②胎児発育の評価
③羊水量の評価
④臍帯・胎盤異常の診断

 

 

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胎児心拍数

胎児心拍数モニタリングは、胎児の状態が良好であること(well-being)を判定する目的で行われる。モニタリングの方法には、ノンストレステスト(non-stress test:NST)がある。

 

NSTとは胎児 - 胎盤系に負荷をかけずに、胎児心拍数図から胎児の状態を判定する方法であり、胎児状況の把握に必須の検査である。

 

well-beingとは

「身体的・精神的・社会的に良好な状態」をいう。

 

 

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バイオフィジカルプロフィールスコア

(biophysical profile score:BPS)

NSTと超音波検査を併用した、胎児のwell-beingの指標である。

 

 

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血液検査

妊娠24週~妊娠35週で血糖検査と血算検査を行う。必要に応じて生化学(AST、ALT、BUN、CRE、UA、CRP)などを測定する。妊娠30週前後が妊婦は水血症となるので望ましい。妊娠36週ごろに血算検査、生化学検査(AST、ALT、BUN、CRE、UA、CRP)、不規則抗体検査を行う。

 

 

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B群溶血性レンサ球菌検査

妊娠34週~妊娠37週頃にB群溶血性レンサ球菌(GBS)検査を行う。培養は妊娠初期検査と同様だが、①腟口周囲から会陰にかけての採取、②肛門周囲からの採取の2点採取が望ましい(GBS は下部消化管に存在することが多いため)。

 

 

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本連載は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

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[出典] 『新訂版 周産期ケアマニュアル 第3版』 編著/立岡弓子/2020年3月刊行/ サイオ出版

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