皮膚にはどんな役割があるの?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は皮膚の構造と役割について解説します。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

皮膚にはどんな役割があるの?

皮膚は表皮、真皮、皮下組織、皮脂腺などから構成されている膜状の器官です(図1)。

 

図1皮膚の構造と皮膚感覚

皮膚の構造

 

身体の表面をおおうことにより、外界の刺激から身体を保護したり、体温調節や発汗を行ったり、痛みや温度などを感じたりします。

 

表皮の最も外側にあるのが角質層で、最終的には垢になって剥がれ落ちます。何重にも層になった表皮細胞が次第に押し上げられ、角質層に移行して垢になるまでの回転周期が約28日です。

 

表皮の下にあるのが真皮(しんぴ)です。真皮は膠原組織(コラーゲン)に富んでおり、皮膚の弾力を保っています。また、血管が縦横に張り巡らされており、血管のない表皮の栄養補給や温度調節を行っています。真皮には皮膚感覚に関与する受容器(神経端末)も分布しています。

 

皮下組織は真皮のさらに下にある組織です。大部分が脂肪細胞によって構成され、熱の喪失による体温低下を防いだり、外界からの衝撃をクッションのように受け止めます。

 

MEMO皮脂腺(ひしせん)

皮膚には汗腺、脂腺、乳腺などの腺があります。汗腺にはエクリン汗腺とアポクリン汗腺があり、エクリン汗腺は体温調節のために汗を出す汗腺で、全身で約350万個あります。アポクリン汗腺は腋窩に多くあります。脂腺は皮膚や毛のしなやかさを保つ役割を果たしています。

 

※編集部注※

当記事は、2020年3月24日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版

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