皮内注射、皮下注射、筋肉内注射および静脈注射
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は注射の各注入部位の特徴について解説します。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
皮内注射、皮下注射、筋肉内注射および静脈注射
注射は、目的や薬剤の種類により注入部位が異なります。ここでは、各注入部位の特徴を学びましょう。
まず皮内注射は、表皮と真皮の間に注入します。血管が乏しい部分なので吸収が遅くなります。ツベルクリン反応は皮内注射を行います。
皮下注射(皮下注)は、皮下組織に注入します。胃腸管(消化管)によって薬剤が変化することを避けたい場合に皮下注射を行うことが多く、臨床的にはインスリン注射で用いられます。
筋肉内注射(筋注)は、薬液をすばやく確実に末梢血管に吸収させたい場合に行われます。吸収速度は皮下注射の約2倍です。刺激性のある薬剤、吸収の悪い薬剤などを注射する場合にも用いられます。
静脈に直接薬剤を注入する方法を静脈注射(静注)といいます。5~10分と短時間で全身に薬物が行き渡るため、即効性があります。代謝されやすい薬剤に適しています。
※編集部注※
当記事は、2020年3月31日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版