細胞はどのような構造をしているの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は細胞の構造について解説します。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
細胞はどのような構造をしているの?
身体はきわめて多数の細胞で構成されています。一つひとつの細胞は、顕微鏡で見なければ確認できないほどの小ささですが、これらの細胞はあたかも1つの社会のような機能をもっています。
細胞のいちばん外側にあるのは、脂質二重層といわれる細胞膜です。細胞膜はもちろん、細胞の中身を守るための仕切りという側面もあります。それだけでなく物質の出入りを調節し、またホルモンを受け取る役割もあります。生命活動に必要な物質も、細胞膜を通って細胞の中に入ってきます。細胞膜を通過するためには、物質は小さな分子にまで分解される必要があります。
細胞膜の中は細胞質(細胞内基質)という液体で満たされており、中心に大きな核があります。細胞質のなかには、ゴルジ装置、ミトコンドリア、小胞体、リボソーム、リソソーム(水解小体<すいかいしょうたい>)などの細胞小器官があります(図1)。
図1細胞の内部構造(細胞小器官)
MEMO1原形質(サイトゾル)
細胞は半流動性のコロイド溶液である原形質(サイトゾル)が、細胞膜で包まれたものです。原形質(サイトゾル)は細胞質から核や細胞小器官を除いた部分です。
【コラム】細胞、組織および器官
細胞とは、生体を構成する最も小さな生命単位です。細胞は約270種類あり、似た細胞同士が結合して組織を形成しています。
さらにさまざまな組織が集まり、器官をつくります。粘膜組織や筋組織、腺組織などが集まって胃を作るといった具合です。人体には胃、腸、膵臓、肝臓、肺、心臓、血管などのさまざまな器官があり、それぞれ独自の働きをしています。
互いに協力しながら機能している器官を器官系といい、消化吸収にかかわる器官を消化器系、呼吸にかかわる器官を呼吸器系というように分類しています。
※編集部注※
当記事は、2019年9月17日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版