1滴の点眼で十分なのはなぜ?|点眼

 

『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。

 

今回は点眼の量に関するQ&Aです。

 

大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授

 

1滴の点眼で十分なのはなぜ?

結膜嚢内には、わずかな液量しか入らないためです。

 

結膜嚢内に入る液量は約30μLに過ぎませんが、点眼薬の1滴は約50μLです。そのため、1滴以上点眼しても、涙管(るいかん)を通って鼻腔内に流入して不快感が生じたり、眼瞼から流れ出て無駄になってしまいます。

 

皮膚に付着したまま放置すると接触性皮膚炎を起こすこともありますので、適量を点眼し、もし流れ出たら拭き取ることが大切です。

 

点眼後は、目を閉じた状態で内眼角部(目頭)を拭いて綿で1分ほど軽く圧迫する、あるいは2 〜3 回静かにまばたきをしてもらい、均等に薬液を染み渡らせます。

 

薬物の温度規制標識

薬物は、温度、湿度、光線などの影響を受けて変化するものが多いので、保管には細心の注意を払う必要があります。保存温度は、薬物の種類によって異なります。

 

一般に、標準温度とされるのが20℃、常温保存は15~25℃、室温保存は1~30℃、微温保存は30~40℃、冷所保存は15℃以下と定められています。なお、特定の温度で保存しないと薬効が低下したり、分解するような薬物には、温度規制標識(ケアマーク)が貼付されている場合もあります。

 

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版

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