呼吸リハビリテーションは、どんな人に対して行うの?
『人工呼吸ケアのすべてがわかる本』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は「呼吸リハビリテーション」に関するQ&Aです。
小松由佳
杏林大学医学部付属病院看護部
呼吸リハビリテーションは、どんな人に対して行うの?
呼吸障害をもつ(もつ可能性のある)患者と、その家族が対象です。
呼吸リハビリテーションの対象
呼吸リハビリテーションは、呼吸障害をもつ患者、呼吸障害をもつ可能性のある患者と、その家族が対象となる。
呼吸リハビリテーションの対象となる呼吸器疾患としては、肺気腫、慢性気管支炎、慢性気管支喘息、肺結核後遺症、気管支拡張症、肺炎などである。
呼吸機能だけでなく、筋力・運動耐容能の低下など、重症心身障害児、筋ジストロフィー症、SMA(脊髄性筋萎縮症)*等の患者も含まれる。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)*、気管支喘息、肺結核後遺症など呼吸障害をもつ患者だけではなく、急性期では術後で呼吸器合併症(肺炎、無気肺)をきたしている、もしくは合併症をきたす可能性がある患者や、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)*の患者など、その家族も対象となる。
家族は、患者の一番の支援者となるため、教育・指導は、患者とその家族に対して行う。
- SMA(spinal muscular atrophy):脊髄性筋萎縮症
- COPD(chronic obstructive pulmonary disease):慢性閉塞性肺疾患
- ARDS(acute respiratory distress syndrome):急性呼吸窮迫症候群
[文献]
- (1)日本呼吸ケア・リハビリテーション学会, 日本呼吸器学会, 日本リハビリテーション医学会,日本理学療法士協会編:呼吸リハビリテーションマニュアル─運動療法 第2版.照林社,東京,2012.
- (2)日本呼吸管理学会, 日本呼吸器学会:呼吸リハビリテーションに関するステートメント,2001.http://www.jrs.or.jp/quicklink/guidelines/statement/pdf/rehabilitation.pd(f 2014年11月18日閲覧).
本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。
[出典] 『新・人工呼吸ケアのすべてがわかる本』 (編集)道又元裕/2016年1月刊行/ 照林社