肺結核とは・・・
肺結核(はいけっかく、pulmonary tuberculosis)とは、結核菌が肺に感染して引き起こされる感染症である。
結核は、抗酸菌群に属するMycobacterium tuberculosis(ヒト型結核菌)、M. bovis(ウシ型結核菌)、M. africanum(アフリカ型結核菌)などの結核菌群の感染により引き起こされるが、主にMycobacterium tuberculosisが原因菌になる。
感染臓器は肺が最も多いが、中枢神経・リンパ組織・心膜・腸管・骨などさまざまな臓器に感染し得る。肺に感染している場合には肺結核と呼び、肺以外の臓器に感染している場合は肺外結核と呼ばれる。単に「結核」と言う場合は、肺結核を指すことが多い。
症状
咳嗽・喀痰・胸痛・全身倦怠感・体重減少・微熱・発汗などであるが、その症状は非特異的である。無症状のこともあるが、血痰や喀血を伴う場合もある。
検査
画像検査では、胸部単純レントゲンにおいて上肺野の空洞を伴う結節影などが古くから知られている典型例である。CTでは肺浸潤影と娘結節・空洞形成・肺門部リンパ節腫大・胸水などを認めるが、多彩な像を呈する。
感染経路や対策
肺結核の感染経路は、結核菌を含む飛沫核を吸入することで感染する空気感染である。感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)では二類感染症に指定されている。他の人に感染させる可能性がある(排菌をしている)結核患者は、同法により都道府県知事の権限で入院勧告や措置入院の対象となる場合がある。