受精した卵子はどうなるの?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は受精後の卵子に関するQ&Aです。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

受精した卵子はどうなるの?

卵子と精子が出合ってから受精が完了するまでには、24時間ほどの時間がかかります。受精が完了すると新たな細胞核がつくられ、ただちに分裂が始まります。

 

受精卵が分裂することを卵割(らんかつ)といいます。受精の翌日には2細胞、3日目には8細胞になり、4日目には16細胞まで進みます。16細胞の時期は、ちょうど形が桑の実に似ているため桑実胚(そうじつはい)ともいいます。5日目には胚盤胞(はいばんほう、胞胚)というかたちになり、子宮に到着します。この胚盤胞の外側の細胞層である合胞体栄養細胞が、子宮内膜の表層細胞を壊し、中にもぐり込んで行きます。

 

この時期の子宮内膜は、黄体ホルモンの影響でベッドのように厚みを増していますので、受精卵が着きやすくなっています。受精卵が子宮内膜に着くことを着床といいます。その後、子宮のなかで受精卵はさらに分裂します。

 

※編集部注※

当記事は、2018年8月20日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版

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